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茶の種類産地・地域製法のポイント風味プロフィール抽出ガイドおすすめのシーンカフェイン・ボディ感サービスメモ
龍井茶(ロンジン) (Dragon Well (Longjing))
緑茶
非発酵(緑茶系)
カフェイン中程度
ホット / 工夫式
別名龍井茶, Longjing, Dragon Well
中国・浙江省杭州市西湖区
摘採後数時間で釜炒り殺青し、芽を手で押さえて扁平に仕上げる。
甘い栗香、滑らかな旨味、青さの残らない澄んだ余韻。
3gを80〜85℃で2〜3分。扁平な葉を崩さないよう静かに注ぐ。
炒り香と爽やかな甘みを味わいたいときに。
カフェインは中程度で穏やかな覚醒感。
扁平に成形することで炒り熱が均一に入り、栗のような香りが際立つ。
煎茶 (Sencha)
緑茶
非発酵(緑茶系)
カフェイン中程度
ホット / 工夫式
別名普通煎茶, Futsu sencha
日本・静岡県や鹿児島県
摘採後すぐに蒸して殺青し、揉捻して針状に整え低温乾燥。
海苔の香りと青々しい甘み、軽い渋みが後口を引き締める。
120mlに3g、75〜80℃で1分。二煎目は30秒ほどで抽出。
日常的に飲める爽やかな旨味の日本茶が欲しいときに。
カフェインは中程度でキレのある覚醒感。
新茶シーズンの高級煎茶は甘みと海風の香りが際立つ。
抹茶(点前用) (Ceremonial Matcha)
緑茶
非発酵(緑茶系)
カフェイン多め
ホット・アイスどちらも
別名点前用抹茶, Stone-milled matcha
京都・宇治や愛知・西尾の覆下栽培てん茶
20日以上覆いをして育て、蒸して揉まずに乾燥、石臼で微粉末に挽く。
濃い旨味とクリーミーな甘さ、ほうれん草やカカオを思わせる余韻。
2gをふるい、70〜75℃の湯で茶筅を使い泡立てる。
濃厚な旨味と泡立ちを楽しみつつ集中力を高めたいときに。
カフェインは高めだがテアニンが多く、集中力とリラックス感を両立。
泡は時間とともに沈むため点てたらすぐに供する。
玉露 (Gyokuro)
緑茶
非発酵(緑茶系)
カフェイン多め
ホット / 工夫式
別名玉露, Jade Dew
日本・福岡県八女市や京都府宇治市
新芽に20〜30日覆いをして摘採し、蒸して繊細に揉み針状に乾燥させる。
出汁のような旨味と海苔、甘いクリーム感が長く続く。
小型急須に5g入れ、50〜55℃で90秒。二煎目以降は低温短時間で甘みが際立つ。
濃厚な旨味を持つ覆い下栽培の日本茶を、小ぶりな茶器でゆっくり味わいたいときに。
カフェインは多いがテアニンが豊富で落ち着いた覚醒感が得られる。
低温抽出を安定させるため急須と茶碗を温めておく。
碧螺春(ビールオチュン) (Biluochun)
緑茶
非発酵(緑茶系)
カフェイン中程度
ホット / 工夫式
別名碧螺春, Green Snail Spring
中国・江蘇省蘇州市洞庭山
極小の芽を小鍋で炒り殺青し、手で螺旋状に丸める。
白桃や杏花、甘い豆の香りに、きりっとしたミネラル感。
3gを75〜80℃で90秒。先に湯を注ぎ、後から茶葉を入れて芽を傷めないように。
果香が柔らかく澄んだ味わいの中国緑茶を飲みたいときに。
カフェインは中程度で軽やかな後味。
高級品は白毫が多く口当たりを柔らかくするので、洗茶せずそのまま淹れる。
番茶 (Bancha)
緑茶
非発酵(緑茶系)
カフェイン控えめ
ホット / 工夫式
別名番茶, Everyday Japanese Green Tea
日本・静岡県や鹿児島県
晩期の葉を蒸して揉み乾燥し、穀物香を出すため軽く焙じることもある。
香ばしい穀物と海苔、穏やかな甘み、かすかな柑橘の皮。
5gを85℃で1〜1分半。より熱い湯でもしっかりした味わいになる。
食事に合わせやすい素朴で飲み飽きない日本茶が欲しいときに。
成熟葉を使うためカフェインは低め〜中程度。
渋みが穏やかで口中をさっぱりさせるため、食事や寿司とともに供されることが多い。
焙じ茶 (Hojicha)
緑茶
非発酵(緑茶系)
カフェイン控えめ
ホット・アイスどちらも
別名焙じ茶, Roasted Japanese Green Tea
日本・京都府
蒸して乾燥させた番茶や茎茶を高温で焙煎する。
焙煎大麦やカラメルナッツ、ほのかなカカオ、後味はすっきり。
5gを90〜95℃で45〜60秒。水出ししてアイスでも楽しめる。
食後や夜に、香ばしくカフェインが少ないお茶を楽しみたいときに。
焙煎でカフェインが減るため含有量は低い。
粉末はラテにも使われるが、茶葉のまま淹れると香りの層が豊かになる。
玄米茶 (Genmaicha)
緑茶
非発酵(緑茶系)
カフェイン控えめ
ホット・アイスどちらも
別名玄米茶, Brown Rice Green Tea
日本・京都府や静岡県
蒸した煎茶・番茶に炒った餅米を合わせ、爆ぜた米花も混ざる。
ポップコーンのような香ばしさと海の旨味、ほのかなカラメル感と青菜の香り。
4gを85℃で2分。温茶としても、お茶漬けにかけても良い。
緑茶の爽やかさと炒り米の香ばしさを一度に楽しみたいときに。
炒り米が混ざるためカフェインは低〜中程度。
爆ぜた米が浮き上がったら注ぎ頃のサイン。
平水珠茶 (Gunpowder Green Tea)
緑茶
非発酵(緑茶系)
カフェイン中程度
ホット / 工夫式
別名ガンパウダー, Zhu Cha
中国・浙江省
萎凋・殺青後、火薬のような光沢のある硬い玉状に揉み上げる。
力強く、ほのかなスモークと草の香り、銅のような渋み。
3gを85℃で2〜3分。最初の湯をさっと捨てると苦味が和らぐ。
力強いスモーキーな日常茶として、またはモロッカンミントティーのベースに。
カフェインは中程度で、一般的な日本茶よりやや多め。
湯の中で玉が劇的に開く。マグリブ地方のミントティー儀式で有名。
アッサム セカンドフラッシュ (Assam Second Flush)
紅茶
完全発酵
カフェイン多め
ホット / 工夫式
別名アッサム紅茶, CTC Assam
インド・アッサム州ブラマプトラ渓谷
完全酸化後に揉捻またはCTC加工し、麦芽の甘さを閉じ込めるよう焙煎。
麦芽と黒蜜の濃い甘さに、レーズンや穀物の香ばしさ。
200mlに3g、95℃で4分。好みでミルクや粗糖を。
ミルクティーにも合うコクのある紅茶が欲しいときに。
カフェイン量は多く、力強く目が覚める。
CTC加工は短時間で濃く出るため、ストレートで飲むなら抽出時間を短めに。
キームン・ハオヤ (Keemun Hao Ya)
紅茶
完全発酵
カフェイン中程度
ホット・アイスどちらも
別名祁門紅茶ハオヤ, Qimen Hao Ya, Keemun Finest Tippy
中国・安徽省黄山市祁門県
春摘みの細芽をじっくり萎凋し揉んで完全発酵させ、炭火で仕上げ焙煎する。
ワインのような核果香とカカオ、蘭の華やぎに、松蜜のような甘さが残る。
4gを95℃で3分。工夫式なら5gを90℃前後で短時間抽出すると層が出る。
ワインのような香りと花香を持つ中国紅茶を、工夫式でも西式でも楽しみたいときに。
カフェインは中〜高程度で渋みは繊細。
ハオヤはA・Bに等級分けされ、Aが最も細かい芽で構成される。
滇紅ゴールデンニードル (Dianhong Golden Needle)
紅茶
完全発酵
カフェイン多め
ホット・アイスどちらも
別名雲南金針紅茶, Yunnan Golden Needle
中国・雲南省臨滄市や鳳慶県
柔らかな芽を天日萎凋し優しく揉んで完全発酵させ、黄金色になったら低温で火入れする。
黒蜜や焼き芋、カカオニブの香りに、滑らかな余韻。
5gを95℃で2分半。96℃で工夫式の短い抽出にするとカラメル感が際立つ。
蜜のように甘く濃い紅茶で、さつま芋のようなコクを求めるときに。
カフェインは高めで口当たりはふくよか。
金毫は熟成で色がやや濃くなるが、涼しく乾いた環境なら蜜の甘さを保つ。
セイロン・ウバ (Ceylon Uva)
紅茶
完全発酵
カフェイン中程度
ホット・アイスどちらも
別名ウバ紅茶, Uva High-Grown
スリランカ・ウバ高地
高地で摘まれた葉を冷涼な山風で萎凋し、オーソドックスまたはCTCで揉み、完全発酵後に乾燥。
柑橘の皮やウィンターグリーン、麦芽の香りで、引き締まった渋みが残る。
3gを95〜98℃で4分。茶葉を引き上げてからミルクを加えると濁りにくい。
きりっと香り高く、ミルクやレモンとも相性の良いセイロン紅茶が欲しいときに。
カフェインは中〜高でキレのある渋み。
7〜9月のウバ・モンスーン期に吹く風が冬青の香りを生み、ブレンダーに重宝される。
ニルギリ・フロストティー (Nilgiri Frost)
紅茶
完全発酵
カフェイン中程度
ホット・アイスどちらも
別名フロスト・ニルギリ, Nilgiri Frosted
インド・タミルナードゥ州ニルギリ山地
寒波の際に摘んだ冬芽をゆっくり萎凋し揉んで完全発酵させ、香りを閉じ込める。
砂糖きびの甘さと蘭、桃の皮の香り、渋みの少ない切れのある後味。
3gを93℃で3分。急冷すれば澄んだアイスティーになる。
南インド産で花の甘さがあり、ホットでもアイスでも楽しめる紅茶を求めるときに。
カフェインは中程度で渋みは丸い。
霜摘みニルギリは香り高く希少なので、揮発を防ぐため密閉保存する。
金駿眉 (Jin Jun Mei)
紅茶
完全発酵
カフェイン中程度
ホット・アイスどちらも
別名金駿眉, Golden Stallion Eyebrow
中国・福建省武夷山桐木村
早春の芽を手摘みし竹簟で萎凋、丁寧に揉み完全発酵させてから炭火で仕上げる。
キャラメルや黒いベリー、カカオ、さつま芋の甘さに、ほのかな松木燻香。
4gを90〜92℃で2分。工夫式なら5gを95℃で20〜25秒抽出すると松木の香りが際立つ。
芽だけで仕上げた贅沢な武夷紅茶を楽しみたいときに。
芽主体のためカフェインは中〜高程度。
桐木での手作りは一日に数キロしか仕上がらず、本物は非常に希少。
ダージリン セカンドフラッシュ (Darjeeling Second Flush)
紅茶
完全発酵
カフェイン中程度
ホット / 工夫式
別名ダージリン紅茶, Muscatel Darjeeling
インド・ヒマラヤ山麓のダージリン地区
高地の冷風で萎凋し、優しく揉んで完全発酵、乾燥。
華やかな香りとマスカテルの甘み、キリッとした柑橘の余韻。
3gを90〜95℃で3分。沸騰湯は避けて香りを守る。
マスカテル香と爽やかな飲み口の紅茶を楽しみたいときに。
カフェインはやや高めだが、口当たりは軽やか。
初夏の雨を受けた二番摘みで特有のマスカテル香が生まれる。
ラプサンスーチョン (Lapsang Souchong)
紅茶
完全発酵
カフェイン中程度
ホット / 工夫式
別名燻製紅茶, Smoked souchong
中国・福建省武夷山 桐木村
完全発酵させた葉を松材の煙で燻し、仕上げに焙煎。
焚き火の煙、松脂、ビターキャラメル、ほのかな龍眼の甘さ。
95℃で3〜4分。濃く出して燻製シロップのベースにも。
燻製香の強い紅茶で食事やカクテルに合わせたいときに。
カフェインは中程度で、余韻が長く温かみがある。
伝統的な桐木正山は古い松材を使い、軽い燻香は輸出向けによく見られる。
イングリッシュブレックファスト (English Breakfast)
紅茶
完全発酵
カフェイン多め
ホット / 工夫式
別名ブレックファストティー, Breakfast Tea
アッサム、セイロン、ケニアのブレンド
短時間で濃く出るよう、BOPやCTCなど細かめの全発酵茶葉を使用。
フルボディ、モルト香、オーク、キレのある後味。
3gを95〜100℃で3〜5分。ミルクを少し加えると最高。
朝の定番。ミルクや砂糖に負けない力強い味わい。
一日を始めるための高カフェイン。
ヴィクトリア女王が広めたとされ、世界で最も親しまれているブレンド茶。
鉄観音 (Tieguanyin)
烏龍茶
部分発酵
カフェイン中程度
ホット / 工夫式
別名鉄観音, Iron Goddess of Mercy
中国・福建省安渓県
20〜30%発酵させて球状に揉み、軽く焙煎して仕上げる。
蘭花の華やかさとクリームの甘さ、青菜のような爽やかさが残る。
120ml蓋碗に6g、95℃。洗茶後20〜30秒で抽出。
蘭花の香りとクリーミーな余韻を楽しみたいときに。
カフェインは中程度で、丸みがあり落ち着く飲み心地。
短い抽出を重ねることで花香の変化が楽しめ、工夫茶に最適。
大紅袍 (Da Hong Pao)
烏龍茶
部分発酵
カフェイン中程度
ホット / 工夫式
別名大紅袍, Big Red Robe
中国・福建省武夷山の岩場茶園
中〜やや重い発酵と繰り返す炭焙で岩骨甘を引き出す。
炭火ナッツ、深いカラメル、濡れた岩のミネラル感、龍眼の甘み。
工夫茶で100mlに7g、98℃。初回15秒、以降5秒ずつ延長。
岩韻のある炭焙りの香ばしさをじっくり味わいたいときに。
カフェインは中程度で、落ち着いた温かみ。
ミネラル豊富な水が岩韻の甘みを引き立てる。
凍頂烏龍 (Dong Ding)
烏龍茶
軽発酵
カフェイン中程度
ホット / 工夫式
別名凍頂烏龍, Tung Ting
台湾・南投県鹿谷郷
中程度の発酵に炭焙りを合わせ、葉縁をキャラメル化させる。
焼きキャラメル、砂糖きび、バターリーフ、山の花の香り。
150mlに5g、92℃。初回45秒、徐々に90秒まで延ばす。
カラメル香とキレの良さを両立した台湾烏龍が欲しいときに。
カフェインは中程度で、澄んだ明るさがある。
品評会では甘い余韻が評価されるため、軟水で淹れると良さが際立つ。
阿里山高山烏龍茶 (Alishan High Mountain Oolong)
烏龍茶
軽発酵
カフェイン中程度
ホット / 工夫式
別名阿里山烏龍茶, Alishan Gaoshan
台湾・嘉義県阿里山山脈
手摘みの葉を高山の冷風で軽く萎凋させ、揺青で縁を傷つけ、球状に揉み込み穏やかに焙煎。
クチナシやモクレンの香り、サトウキビの甘さ、バターのようなレタス感、霧を思わせるミネラル。
150ml蓋碗に6g、92℃で25秒。以降は少しずつ時間を延ばす。
雲海に育まれた滑らかで花香のある台湾高山烏龍を楽しみたいときに。
カフェインは中程度で口当たりは軽やか。
標高1400m以上でじっくり育つため茎が太く、そっと折ると樹液がにじむものが上質。
金萱ミルク烏龍 (Jin Xuan (Milk Oolong))
烏龍茶
軽発酵
カフェイン中程度
ホット・アイスどちらも
別名台茶12号, Taiwan Tea No. 12
台湾・南投県や嘉義県
15%ほどの軽い発酵で半球状に揉み、穏やかに焙って品種由来のミルク香を引き出す。
クリームやバタートフィー、スナップエンドウの青さ、ほのかなトロピカルフルーツ。
5gを90〜92℃で35秒。アイス用は常温水500mlに8gを入れ8時間抽出。
香料を使わず自然なミルキーさを持つ烏龍を求めるときに。
カフェインは中程度で舌触りがなめらか。
本来のミルキーさは品種由来で、極端に強いバター香は香料添加の可能性が高い。
鳳凰単叢 (Phoenix Dancong)
烏龍茶
部分発酵
カフェイン中程度
ホット / 工夫式
別名鳳凰単叢烏龍, Fenghuang Dancong
中国・広東省潮州市鳳凰山
老樹の葉を萎凋させ揺青で縁を傷つけ、炭火で焙煎しては休ませる工程を重ねる。
蜜蘭香、焙煎アーモンド、トロピカルフルーツ、長く続く岩のミネラル。
100ml蓋碗に7g、96℃で洗茶し、12〜15秒で抽出して香りを際立たせる。
蜜蘭香など品種ごとの香りが際立つ香り高い烏龍を楽しみたいときに。
カフェインは中〜高程度で活気のある余韻。
蜜蘭香や姜花香など香型は母樹によって異なるため、仕入れ時に樹名を確認すると良い。
東方美人(白毫烏龍) (Oriental Beauty (Bai Hao))
烏龍茶
部分発酵
カフェイン中程度
ホット・アイスどちらも
別名東方美人茶, Dongfang Meiren, Champagne Oolong
台湾・新竹県と苗栗県周辺
小緑葉蟬に吸汁された夏葉を摘み、萎凋・揺青の後に約70%まで強く発酵させ、蜜香を定着させるために焙煎。
蜂蜜やマスカット、熟した桃、焼き菓子のスパイス、琥珀色で滑らかな口当たり。
150ml急須に5g、90℃で2分。95℃で3分の西式抽出でも華やかさが出る。
ウンカ被害で生まれる蜜香とマスカットの甘さを持つ台湾烏龍を楽しみたいときに。
カフェインは中程度で甘みが気分を上げる。
小緑葉蟬が入る夏期の畑のみで作られ、乾茶には白毫が豊かに見えるものが良い。
文山包種茶 (Pouchong (Baozhong))
烏龍茶
軽発酵
カフェイン控えめ
ホット / 工夫式
別名包種茶, Baozhong
台湾・新北市文山地区
8〜12%の極軽発酵。萎凋後、球状ではなくよじれた紐状に揉む。
クチナシ、白百合、メロン、フレッシュクリーム、爽やかな後味。
4gを90℃で2〜3分。葉を愛でるためガラス器で淹れるのも良い。
緑茶と烏龍茶の中間にある、花のような軽いお茶が欲しいときに。
カフェインは低〜中程度で、優しく気分を高める。
名は「包まれた種類」を意味し、紙で四角く包んで販売したことに由来。
白毫銀針 (Silver Needle (Baihao Yinzhen))
白茶・黄茶
非発酵(緑茶系)
カフェイン控えめ
ホット・アイスどちらも
別名白毫銀針, Baihao Yinzhen
中国・福建省福鼎や政和
春先の芽を日干しで萎凋させ、低温で乾燥。揉みはほとんど行わない。
柔らかな蜂蜜と干し草、きゅうりの爽やかさ、白い花の香り。
4gを85℃で4分。水出しで一晩置くと蜜のような甘さに。
繊細な甘みと穏やかな香りでリラックスしたいときに。
カフェインは低く、テアニンが多いため穏やかに落ち着く。
雨を避けて摘み、白毫を保つ。保管は遮光密封で。
白牡丹 (Bai Mudan (White Peony))
白茶・黄茶
軽発酵
カフェイン控えめ
ホット・アイスどちらも
別名白牡丹, White Peony
中国・福建省福鼎市
芽と二葉を日干しで萎凋させ、約10%まで緩やかに酸化させて乾燥。
熟した梨とメロンの甘さ、干し草、ほのかなアーモンドの余韻。
4gを90℃で3分。95℃で工夫茶抽出すると果実味が際立つ。
果実のニュアンスとふくよかな口当たりの白茶を楽しみたいときに。
カフェインは低〜中程度で、柔らかく落ち着いた味わい。
寝かせると蜂蜜感が増す。通気性のある紙でゆっくり熟成させると良い。
寿眉 (Shoumei)
白茶・黄茶
部分発酵
カフェイン控えめ
ホット・アイスどちらも
別名寿眉, Longevity Eyebrow
中国・福建省北部
晩春に摘み、日干し時間を長くして自然酸化を進めてから乾燥。
棗の蜜、干し杏、温かな干し草、ほのかなスパイス。
5gを95℃で5分。軽く煮出すとスープのような濃さに。
蜂蜜やドライフルーツのニュアンスで、ゆったり楽しむのに向く白茶。
カフェインは低く、熟成後はさらに柔らかい飲み心地。
広東の茶楼では乾燥果実と一緒に煮出し、甜品湯にすることも。
貢眉 (Gongmei)
白茶・黄茶
軽発酵
カフェイン中程度
ホット・アイスどちらも
別名貢眉白茶, Tribute Eyebrow
中国・福建省福鼎市や建陽区
晩春の葉を長く萎凋させ、軽く積み上げて約20%まで自然酸化させた後に焙煎。
煮詰めた杏や棗蜜、焙煎麦、温かな木香スパイスの余韻。
5gを95℃で4分。6gを500mlの湯で弱火10分煮出すとスープのような濃さに。
琥珀色の水色で煮詰めた果実感のある日常白茶を楽しみたいときに。
カフェインは中程度で、温かく落ち着いた飲み心地。
点心と合わせるため熟成させることが多く、竹籠で通気させながら保管するとカラメル感が増す。
月光白 (Yueguangbai (Moonlight White))
白茶・黄茶
軽発酵
カフェイン中程度
ホット・アイスどちらも
別名月光白, Moonlight White
中国・雲南省勐海や景谷
夕方に摘んだ大葉種を室内で陰干しし、翌日に低温でゆっくり乾燥。
ライチの蜜、熟した梅、ほのかなカカオ、湿った森の香り。
6gを95℃で2分半。工夫式なら7gを96℃で20秒抽出するとライチ香が際立つ。
蜂蜜と果実、雲南らしい土のニュアンスを持つ白茶を味わいたいときに。
カフェインは中程度で落ち着いた甘み。
裏葉が濃色で表に白毫が残る二色の姿が月光白の特徴。
ダージリンホワイトティー (Darjeeling White)
白茶・黄茶
軽発酵
カフェイン中程度
ホット・アイスどちらも
別名ヒマラヤンホワイト, Himalayan White
インド・ダージリンのクルセオン、ミリック渓谷
春摘みの芽葉を山風で軽く萎凋し、手で優しく揉んでからゆっくり乾燥。
マスカットや白桃、山野草の香り、切れのあるミネラル感。
3gを85℃で3分。6gを500mlの冷水で6時間水出しすると爽やかに仕上がる。
マスカテル香と澄んだミネラル感を持つヒマラヤの白茶を飲みたいときに。
カフェインは中程度で、余韻はきらりとした明るさ。
生産量が非常に少ないため、白毫豊かな芽先は特別なテイスティング用に取っておくと良い。
生プーアル (Sheng Pu-erh)
黒茶・熟成茶
後発酵(黒茶)
カフェイン中程度
ホット・アイスどちらも
別名生茶, Raw pu-erh
中国・雲南高原
晒青毛茶を蒸して柔らかくし、石型で餅状に圧し固める。後発酵はさせない。
杏や樟の香り、キレのある苦味が徐々に甘いミネラル感へ。
工夫茶で100mlに6g、98℃。洗茶後10〜15秒、以降徐々に延ばす。
鮮やかな苦味と熟成による深みを楽しみたいときに。
カフェインはやや多めで若い茶は活気があり、熟成で穏やかになる。
通気性のある環境で保管し、密閉袋で蒸れさせないこと。
熟プーアル (Shou Pu-erh)
黒茶・熟成茶
後発酵(黒茶)
カフェイン中程度
ホット・アイスどちらも
別名熟茶, Ripe pu-erh
中国・雲南省の勐海や普洱
渥堆と呼ばれる堆積発酵で熟成を早め、餅茶や磚茶に成形。
ビターチョコ、湿った土、杉の木、龍眼や糖蜜の甘さ。
洗茶後、100mlに7g、98℃で15秒。以降は少しずつ時間を延ばす。
チョコレートや森の土を思わせるまろやかな一杯が欲しいときに。
カフェインは中程度で、発酵によりまろやか。
淹れる前に急須を熱湯で温めると香りがより豊かに立つ。
六堡茶 (Liu Bao)
黒茶・熟成茶
後発酵(黒茶)
カフェイン控えめ
ホット・アイスどちらも
別名六堡黒茶, Liubao dark tea
中国・広西チワン族自治区 蒼梧県
殺青後に渥堆発酵させ、竹籠で熟成して檳榔の香りを育てる。
湿った杉、檳榔、樟脳の甘さ、穏やかな土っぽさ。
洗茶後、150mlに5g、95℃で2分。点心用に煮出してもよい。
点心やしっかりした料理に合わせたいときの穏やかな黒茶。
カフェインは低〜中程度で、温かく穏やかな飲み心地。
熟成した竹籠では金花菌が生え、甘みを増すことがある。
茯磚茶 (Fu Zhuan Cha (Fu Brick Tea))
黒茶・熟成茶
後発酵(黒茶)
カフェイン中程度
ホット / 工夫式
別名金花茯磚, Golden Flower Brick
中国・湖南省安化県
粗葉を渥堆発酵させて成形し、冠突散囊菌を接種して温かい環境で熟成させ金花を繁殖させる。
焙煎小麦や麦芽シロップ、棗、ほのかな樟香が重なり、滑らかな口当たり。
7gを崩して洗茶し、98〜100℃で20〜30秒の工夫抽出。10gを弱火で15分煮出しても良い。
穀物の甘さと金花菌のまろやかさを楽しむ発酵黒茶を飲みたいときに。
カフェインは中程度で体を温める。
金花が密に広がるものが良品で、少ない場合は渥堆の湿度不足を示す。
六安籠茶 (Liu An Hei Cha)
黒茶・熟成茶
後発酵(黒茶)
カフェイン中程度
ホット / 工夫式
別名六安茶, Liu An Basket Tea
中国・安徽省六安市
夏末の葉を釜炒り殺青し渥堆、蒸して柔らかくしてから小さな竹籠に詰め熟成させる。
紅棗や龍眼、樟、ほのかなバジル、熟成した杉の香り。
6gを98℃で40秒。薬膳茶として枸杞や紅棗と共に15gを20分煮出しても良い。
薬香と木の熟成感を持つ滋味深い黒茶を楽しみたいときに。
カフェインは中程度で、後味はややドライ。
伝統的な竹籠の内張りは棕櫚繊維で、カビが出たら交換して清潔な熟成を保つ。
千兩茶 (Qianliang Cha (Thousand-Tael Tea))
黒茶・熟成茶
後発酵(黒茶)
カフェイン中程度
ホット / 工夫式
別名千兩茶柱, Thousand-Tael Log
中国・湖南省安化県
太めの葉を蒸して竹芯に巻き付け円柱にし、土窖で数ヶ月発酵熟成させる。
黒糖、干し棗、かすかな松煙、清涼感のある樟の余韻。
5〜6gを切り出して洗茶し、100℃で30秒。薄切りを5分煮出すと素朴な味わいになる。
円柱状に熟成させ、スライスして楽しむ香り高い黒茶を振る舞いたいときに。
カフェインは中程度で澄んだ余韻が続く。
伝統的な柱は約36kg(千両)だが、現在は保管しやすい小型タイプもある。
茉莉龍珠茶 (Jasmine Dragon Pearl)
フレーバー&スパイスティー
軽発酵
カフェイン控えめ
ホット・アイスどちらも
別名茉莉花茶, Jasmine pearl
中国・福建省
春摘みの緑茶を珠状に丸め、茉莉花と重ねて5〜7回薫香。
甘い茉莉花、メロンのような甘さ、滑らかな緑茶の旨味。
2.5gを85℃で2分。アイス用は6gを6時間水出し。
ジャスミンの華やかな香りと優しい甘みを楽しみたいときに。
カフェインは低〜中程度で、花の香りがリラックスさせる。
夜に咲く茉莉花のみを使用。密封保存で香りが数か月続く。
アールグレイ (Earl Grey)
フレーバー&スパイスティー
完全発酵
カフェイン中程度
ホット・アイスどちらも
別名ベルガモット紅茶, Bergamot black tea
スリランカやインド、中国の紅茶にイタリア産ベルガモットオイルを調合
仕上げた紅茶にベルガモットオイルを噴霧し、柑橘ピールを加えることも。
ベルガモットの爽やかさと麦芽の甘み、ほのかなバニラ。
3gを95℃で3分。ラテには濃いめに抽出して温かいミルクを加える。
柑橘の香りを楽しむアフタヌーンティーやティーラテに。
カフェインは中程度で、ベースの紅茶によって変わる。
提供直前にオレンジピールをひねると香りが一層引き立つ。
マサラチャイ (Masala Chai)
フレーバー&スパイスティー
完全発酵
カフェイン中程度
ホット / 工夫式
別名チャイ, Chai latte
インド北部のチャイ屋台や家庭に由来
CTCアッサムとスパイス、ミルク、砂糖を煮込み、濾して提供。
カルダモンと生姜の刺激、黒胡椒とシナモン、キャラメルミルクの濃厚さ。
8gの茶と250mlの水、スパイスを煮出し、ミルク250mlを加えて5分煮込んで濾す。
身体を温めるスパイスミルクティーが欲しいときに。
カフェインは中程度で、ミルクとスパイスで穏やかに感じる。
スパイスの配合で個性を出せる。生姜・胡椒で辛さ、フェンネル・八角で甘さを。
ローズコンゴウ紅茶 (Rose Congou)
フレーバー&スパイスティー
完全発酵
カフェイン中程度
ホット・アイスどちらも
別名玫瑰紅茶, Rose-scented black tea
中国・福建省福州市
工夫紅茶を新鮮なバラの花弁と重ね、一晩香りを移してから焙乾し、数回薫香を繰り返す。
ローズジャム、蜂蜜、赤葡萄の皮、ほのかなカカオ。
3gを95℃で3分。アイスにする場合は6gを熱湯で濃く出し急冷する。
デザートやアフタヌーンティーに、ダマスクローズの香りをまとった紅茶を楽しみたいときに。
カフェインは中程度で、柔らかな花の余韻。
磁器や釉薬の器を使うと香りが移りにくく、素焼きはローズオイルを吸いやすい。
ライチ紅茶 (Lychee Black Tea)
フレーバー&スパイスティー
完全発酵
カフェイン中程度
ホット・アイスどちらも
別名ライチ香紅茶, Lizhi Hongcha
中国・広東省や広西チワン族自治区
仕上げた紅茶をライチの殻と共に薫り付け、または果汁で窨してから乾燥させる。
ライチシロップ、カラメル、ほのかな杉、カカオニブ。
4gを95℃で3分。水出しは8gを600mlの冷水で8時間。
アイスティーやフルーツミルクティーに、ライチの甘い香りを加えたいときに。
カフェインは中程度でデザートのような香り。
冬採りライチで香り付けするのが伝統。香料だけのものは手軽だが奥行きに欠ける。
キンモクセイ烏龍 (Osmanthus Oolong)
フレーバー&スパイスティー
軽発酵
カフェイン中程度
ホット・アイスどちらも
別名桂花烏龍茶, Gui Hua Oolong
台湾・南投県
軽発酵の烏龍茶に金木犀の花を合わせて温め、香りを移した後で花をふるい落とす。
杏や金木犀の蜂蜜、サトウキビの甘さ、爽やかな花の余韻。
5gを90℃で2分。水出しは8gを700mlの水で6時間。
アプリコットの香りが広がる明るい烏龍をホットでもアイスでも楽しみたいときに。
カフェインは中程度で、香りが気分を明るくする。
沸騰湯で淹れると金木犀の油分が苦くなるため避ける。
菊花プーアル (Chrysanthemum Pu-erh)
フレーバー&スパイスティー
完全発酵
カフェイン中程度
ホット・アイスどちらも
別名菊花プーアル茶, Ju Hua Pu-erh
香港の茶楼で生まれた組み合わせで、雲南の熟プーアルに杭州の菊花を合わせる。
熟プーアル茶葉に乾燥菊花を混ぜ、散茶として、または小さな沱茶に共同圧製する。
黒糖と湿った土のカカオ感、菊の清涼感、やわらかな薬草の甘み。
6gを98℃で2分。陳皮を加えて弱火で煮出すと香港風の涼茶になる。
食後の油っこさをさっぱりさせる清涼感のある黒茶が欲しいときに。
カフェインは中程度で、菊花の清涼感が調和する。
香港の茶楼で定番。淹れる前に菊花をさっと洗い、花粉を落とすと澄んだ味わいになる。
カモミールティー (Chamomile Infusion)
ハーブティー
ハーブ(非カメリア)
ノンカフェイン
ホット / 工夫式
別名カモミール, Manzanilla
主にエジプトや東欧産
リンゴのような香りを保つため低温で乾燥。
蜂蜜とリンゴ、干し草の甘み、柔らかな花の余韻。
200mlに3g、95℃で5分。揮発成分を逃さないよう蓋をする。
夜に飲むリラックス用のノンカフェインハーブティーとして。
カフェインは含まず、アピゲニンがリラックスを促す。
煮立てすぎると苦味が出るので注意。
ルイボスティー (Rooibos)
ハーブティー
ハーブ(非カメリア)
ノンカフェイン
ホット・アイスどちらも
別名ルイボス, Red bush
南アフリカ・セダーバーグ山脈
針状の葉を揉み傷つけて酸化させ、日干しでカラメル感を引き出す。
蜂蜜やバニラ、杏、穏やかな木のスパイス感。
3gを95℃で5分。柑橘を加えて一晩水出ししても美味。
蜂蜜のような甘さで、ストレートでもミルクでも楽しめるノンカフェインティー。
カフェインを含まず、抗酸化成分が豊富。
バニラシロップと合わせればノンカフェインラテに。
ペパーミントティー (Peppermint Leaf)
ハーブティー
ハーブ(非カメリア)
ノンカフェイン
ホット・アイスどちらも
別名ミントティー, Mint tea
北米や欧州で栽培
ペパーミントの葉をさっと加熱して乾燥し、メントール感を閉じ込める。
キリッとしたメントールと甘いハーブの余韻。
200mlの沸騰湯に2gを4分。レモンを添えたアイスでも。
食後の口直しや消化促進に最適なノンカフェインハーブ。
カフェインは含まない。
カフェインを加えたい場合は緑茶と合わせてモロッカンミント風に。
ハイビスカスティー (Hibiscus Roselle)
ハーブティー
ハーブ(非カメリア)
ノンカフェイン
ホット・アイスどちらも
別名ローゼルティー, Roselle, Agua de Jamaica
スーダンやサヘル原産で、現在はメキシコや東南アジアでも栽培
ローゼルの萼を収穫して割り、日干しまたは低温乾燥して色を保つ。
クランベリーのような酸味とザクロのコク、すっきりした花の余韻。
250mlに4g、95℃で6分。柑橘を加えて冷やせばアグアフレスカ風。
鮮やかな紅色でビタミンC豊富な酸味のハーブティーが欲しいときに。
カフェインは含まず、アントシアニンが豊富。
ショウガやシナモンと合わせると酸味がまろやかになる。
レモングラスティー (Lemongrass Infusion)
ハーブティー
ハーブ(非カメリア)
ノンカフェイン
ホット・アイスどちらも
別名シトロングラスティー, Cymbopogon Tea
東南アジア原産で、タイやインドネシア、スリランカで広く栽培
若い茎を収穫して軽くつぶし、刻んで陰干しし、シトラールを保つ。
レモンピールの爽やかさとショウガの温かさ、ほのかな草の甘み。
250mlの沸騰湯に4gを6分。繊維を残さないよう丁寧に濾す。
食後に爽やかな柑橘香でノンカフェインの消化促進ドリンクが欲しいときに。
カフェインは含まず、リラックスを促すシトラールを含む。
ミントと合わせて水出しすると東南アジア風の清涼ドリンクに。
ジンジャーティー (Ginger Root Decoction)
ハーブティー
ハーブ(非カメリア)
ノンカフェイン
ホット / 工夫式
別名しょうが湯, Fresh Ginger Tea
インド、中国、インドネシアなど広く栽培
生姜を薄切りまたは砕いて抽出し、乾姜は乾燥後に軽く焙る。
ショウガの辛みと温かさ、煮出すと黒糖のような甘みと残るスパイス感。
300mlの水で生姜10gを8〜10分煮出し、好みで蜂蜜や黒糖を加える。
体を温めたいときや胃を整えたいときに。
カフェインを含まず、体を温めるジンゲロールを含有。
紅茶と煮込めばマサラチャイのベースに、レモンを添えて冬のトニックにも。
菊花茶(ジューファーチャー) (Chrysanthemum Flower Tea)
ハーブティー
ハーブ(非カメリア)
ノンカフェイン
ホット・アイスどちらも
別名キク茶, Ju Hua Cha, Chrysanthemum Infusion
主産地は中国・杭州で、桐郷や黄山の品種が特に評価される
開いた花をさっと湯通しして冷却し、風乾または乾燥して花形を保つ。
蜂蜜のような花の香りに、冷ややかな甘みと菊花粉のほのかな香り。
軽く湯通しした後、90℃で3gを2〜3分。クコの実と合わせても良い。
油を使った料理のお供に、体を冷まし目をすっきりさせたいときに。
カフェインを含まず、涼性のハーブとされる。
市販品の硫黄薫蒸臭を落とすため、軽く湯通ししてから抽出を。
バタフライピー (Butterfly Pea Blossom)
ハーブティー
ハーブ(非カメリア)
ノンカフェイン
ホット・アイスどちらも
別名蝶豆花ティー, Blue Pea Flower
原産は東南アジアで、特にタイやマレーシアで親しまれる
新鮮な花弁を摘み取り選別し、青いアントシアニンを守るため陰干しする。
ほのかな豆の花の香りと柔らかな土のニュアンス、わずかな青さの甘み。
200mlの沸騰湯に2gを5分。柑橘を加えると紫色に変化する。
鮮やかな青い茶液やカクテルの色変化を演出したいときに。
カフェインは含まない。
レモングラスやパンダンと合わせると東南アジア風の甘いドリンクに。
マテ茶 (Yerba Mate)
ハーブティー
ハーブ(非カメリア)
カフェイン多め
ホット・アイスどちらも
別名イエルバ・マテ, Mate, Chimarrão
パラグアイやアルゼンチン、ブラジル南部の大西洋岸森林が原産
葉を素早く火入れして酵素を止め、薪火で乾燥後に熟成させてまろやかさを出す。
乾いた草の香り、ほのかなスモークと柔らかな甘み。
マテ壺に茶葉を2/3入れて傾け、常温水で湿らせた後75〜80℃の湯を注ぎ複数回飲む。
持続的な覚醒感が欲しいときに、マテ壺で回し飲みする伝統的ハーブ。
天然のキサンチン類を多く含み、カフェイン量は高く数回抽出可能。
沸騰湯を使うと苦味と焦げ臭が出るので避ける。
ラベンダーティー (Lavender Bud Tea)
ハーブティー
ハーブ(非カメリア)
ノンカフェイン
ホット・アイスどちらも
別名ラベンダーハーブティー, Lavandula Tea
地中海沿岸原産で、特にフランス・プロヴァンスが有名
開花初期に手で刈り取り、暗く風通しの良い場所でゆっくり乾燥させる。
優しい花の香りに蜜のようなハーブ感、ほのかな樟脳のニュアンス。
2gを90℃で4分。カモミールやレモンバームと合わせると層が出る。
就寝前に香りで緊張をほぐしたいときに。
カフェインは含まない。
入れすぎると石鹸のような苦味が出るので控えめに。
ローズヒップティー (Rosehip Infusion)
ハーブティー
ハーブ(非カメリア)
ノンカフェイン
ホット・アイスどちらも
別名ローズヒップハーブ, Wild Rose Tea
チリやバルカン地方の野生ローズヒップを収穫
果実を半分に割って種を除き、低温乾燥して酸味と油分を守る。
クランベリーや赤スグリのような酸味に、わずかな蜂蜜の甘さ。
5gを95℃で7分。ハイビスカスと合わせると色と酸味が際立つ。
ルビー色でビタミンC豊富な甘酸っぱいハーブティーが欲しいときに。
カフェインは含まない。
長時間煮沸するとビタミンCが減るため、煮立たせないよう注意。
レモンバームティー (Lemon Balm Infusion)
ハーブティー
ハーブ(非カメリア)
ノンカフェイン
ホット / 工夫式
別名メリッサティー, Melissa Tea
南欧および地中海地域
開花前に葉を収穫し、黒変を防ぐため素早く乾燥させる。
優しいレモン、ミントの底流、甘いハーブの余韻。
生または乾燥葉3gを90℃で5〜10分。精油を逃さないよう蓋をして蒸らす。
不安を和らげ、睡眠を助け、神経性の胃の不調を整えたいときに。
カフェインは含まない。
気分を明るくする効果から「喜びのハーブ」と呼ばれることが多い。
エキナセアティー (Echinacea Infusion)
ハーブティー
ハーブ(非カメリア)
ノンカフェイン
ホット / 工夫式
別名パープルコーンフラワー, Coneflower Tea
北米の草原地帯
根、葉、花を収穫し洗浄・乾燥。根は風味を増すため焙煎されることが多い。
土の香り、松、花、そして特徴的な舌へのピリピリ感。
根小さじ1を250mlの水で10〜15分煮出す。葉や花なら5〜7分抽出。
風邪やインフルエンザの兆候を感じたら、免疫サポートのために飲む。
カフェインは含まない。
ピリピリ感は免疫を高める活性成分アルキルアミドが含まれている証拠。