部位カテゴリ
サシの多さ
推奨火入れ
主な調理法
ステーキ名部位・位置食感風味おすすめ用途調理のポイント目安量とカットサービングのコツ
フィレミニョン(ヒレステーキ) (Filet Mignon (Tenderloin Steak))
ヒレ
赤身中心
ミディアムレア
フライパンシア
低温調理(スービッド)
別名ヒレステーキ, Tenderloin steak, Filet
背骨沿いのテンダーロイン中央部から切り出される。
非常に柔らかくきめ細かい筋肉で、結合組織がほとんどない。
淡く上品な甘みがあり、バターやソースと相性抜群。
高級ステーキとして提供し、リッチな付け合わせと好相性。
鋳鉄で高温シアしバターでアロゼ、オーブンまたは低温調理で仕上げる。
厚さ4〜5cmのメダリオンに切り、5分休ませて提供。
スジを丁寧に除き、しっかり味付けして力強いクラストを作る。
シャトーブリアン (Chateaubriand Roast)
ヒレ
赤身中心
ミディアムレア
オーブンロースト/リバースシア
フライパンシア
別名ヒレの芯, Center-cut tenderloin roast
テンダーロイン中央の太い円柱部分で、シェア向き。
絹のように柔らかく、均一な筋で切り分けやすい。
上品で繊細な旨味。ハーブバターやデミ、ペッパーソースと好相性。
テーブルカッティングの演出や祝宴向き。ロースト野菜やポテトと。
全面を焼き固めてから穏やかにローストし、仕上げにバターでアロゼ。
直径5〜7cmほどに整え、席上で2〜3cm厚にカット。
形を整えるためタコ糸で縛り、10分以上休ませてからカット。
トゥルヌドー(ヒレ中心のメダリオン) (Tournedos (Tenderloin Center Medallion))
ヒレ
赤身中心
ミディアムレア
フライパンシア
フランベ仕上げ
別名ヒレメダリオン, Tenderloin medallion, Barrel cut filet
テンダーロイン中央部を円筒状に整えた小さなカット。
非常にきめ細かく均一に柔らかく、脂やスジがほとんどない。
上品で穏やかな甘みがあり、トリュフやフォアグラなどリッチなソースと好相性。
高級レストランの盛り付けやロッシーニ風など贅沢な料理に最適。
タコ糸で形を整え、バターで素早く焼き、アロゼやフランベで仕上げる。
直径4〜5cmで1個120〜160g程度に整える。
細かい塩で軽く味付けし、休ませ過ぎずすぐ提供する。
ヒレ先端カット (Tenderloin Tips)
ヒレ
赤身中心
ミディアムレア
強火の炒め物
フライパンシア
別名ヒレ先, Filet tails, Tenderloin cubes
ヒレの先端や整形時に出る切り落としを角切りや短冊にしたもの。
フィレ同様に柔らかく、形が不揃いなため火が早く入る。
味わいは穏やかで、マリネや炒め物の味がよく染みる。
串焼き、ビーフストロガノフ、炒め物、ヒレチップとマッシュルーム、スピードケバブに最適。
短時間マリネしてからフライパンや中華鍋で強火のままレア〜ミディアムに仕上げる。
2〜3cm角に切り、1人前120〜150gほど。串焼きの場合は3〜4個ずつ刺す。
火を通しすぎないよう、中心がロゼのうちに火から下ろして肉汁を保つ。
リブアイステーキ(骨なし) (Boneless Ribeye Steak)
リブ
サシが豊富
ミディアムレア
グリル・直火
オーブンロースト/リバースシア
別名リブロース芯, Scotch fillet, Spinalis + longissimus
6〜12番肋骨のリブロースから切り出し、芯とリブキャップが一体。
豊かなサシで、リブキャップはとろけ、芯はほどよい噛み応え。
濃厚なビーフ感とバターのような脂が加熱中に自己アロゼする。
王道ステーキのメイン、シェアプレート、テイスティングにも最適。
リバースシアやツーゾーングリルで脂を溶かしつつ中心をロゼに保つ。
厚さ3〜4cm(350〜400g)に切り、8〜10分休ませる。
リブキャップは外さず、仕上げにフレークソルトで甘い脂を引き立てる。
トマホークリブアイ (Tomahawk Ribeye)
リブ
サシが豊富
ミディアム
グリル・直火
オーブンロースト/リバースシア
別名骨付きリブアイ, Bone-in cowboy ribeye
20〜25cmの肋骨を残し、先端をフレンチ仕立てにしたリブアイ。
リブアイ同様の霜降りで、骨が断熱してゆっくり火が入る。
骨付きならではの香り高さと香ばしい焼き目が楽しめる。
シェアステーキやカービング演出に最適。濃厚な赤ワインやローストガーリックと好相性。
間接火でじっくり脂を落とし、最後に高温で表面を焼き締める。
1.2〜1.5kgほど。骨に沿って切り離し、繊維を断つようにスライス。
前日にドライブラインして中まで味を入れ、骨付きのため長めに休ませる。
カウボーイリブアイステーキ (Cowboy Ribeye Steak)
リブ
サシが豊富
ミディアム
グリル・直火
オーブンロースト/リバースシア
別名骨付きリブアイ, Bone-in ribeye, Côte de boeuf
6〜8番肋骨から切り出す厚切りリブアイで、短い骨をフレンチトリムして残す。
豊富な霜降りとカリッと焼ける脂身が特徴で、骨が芯を守りジューシーに仕上がる。
骨の香りとカラメル化した脂の甘みが加わった力強いビーフフレーバー。
ステーキハウスの看板メニューに最適で、風味の強い付け合わせやコンパウンドバターと好相性。
骨側から焼き色を付け、中火またはオーブンで52〜54℃まで仕上げる。
1枚650〜900g程度。10分休ませてから骨に沿って切り離す。
21日ほどのドライエイジで旨味を凝縮でき、提供前に骨に牛脂を塗ると艶が出る。
リブアイキャップステーキ(スピナリス) (Ribeye Cap Steak (Spinalis))
リブ
サシが豊富
ミディアムレア
フライパンシア
グリル・直火
別名リブキャップ, Deckle steak, Spinalis dorsi
リブアイのキャップ部分だけを巻いて縛る、または単独でカットしたステーキ。
非常に柔らかく、繊維はゆるやかで霜降りが豊富に溶け出す。
バターのようなコクと濃厚なビーフ感が凝縮した希少部位。
テイスティングメニュー、炙り寿司風、贅沢なステーキサンドに。
タコ糸で形を整え、高温で手早く焼き付け、絶えず脂をかけながら仕上げる。
直径4cmほどに巻いて150〜180gのステーキにするか、1.5cm幅にスライスしてシェアする。
火を入れすぎないよう50℃程度で取り出し、余熱で仕上げるとバターのような食感が保てる。
スタンディングリブロースト (Prime Rib Roast (Standing Rib Roast))
リブ
サシが豊富
ミディアムレア
オーブンロースト/リバースシア
リバースシア仕上げ
別名リブロースト, Standing rib roast, Prime rib
リブロースの6〜12番肋骨を残したままの塊肉ロースト。
キャップは柔らかく脂が乗り、芯はジューシー、スピナリスはとろける食感。
祝宴にふさわしい濃厚な旨味で、溶けた脂と骨の香りが広がる。
祝宴のメインやカービングサービスに。ヨークシャープディングやホースラディッシュと好相性。
24〜48時間ドライブラインし、120℃で低温ローストして芯温50〜52℃まで上げ、最後に高温で焼き締める。
2人につき1本の肋骨(加熱後700〜900g目安)を用意し、繊維を断つよう厚めにスライス。
温度計を使い、20分以上休ませる。骨はジュやスープに再利用。
ニューヨークストリップ (New York Strip Steak)
ショートロイン(ストリップ)
サシ中程度
ミディアムレア
フライパンシア
グリル・直火
別名サーロインストリップ, Striploin, Kansas City strip
ショートロインから切り出したロングアイ筋で、厚い脂肪をまとった一枚肉。
きめ細かく適度な噛み応えがあり、外側の脂が溶けて旨味を補う。
力強いビーフ感にミネラルのニュアンス、脂がカラメリゼして甘みが出る。
ステーキハウスの看板メニューに。スライスして弁当やサンドにも活躍。
フライパンで焼き色をつけてからオーブン仕上げ、または高火力グリルで一気に焼く。
厚さ3cm(280〜320g)に切り、6〜8分休ませる。
脂身に切り込みを入れて反り返りを防ぎ、仕上げにコンパウンドバターをのせる。
ポーターハウスステーキ (Porterhouse Steak)
ショートロイン(ストリップ)
サシ中程度
ミディアム
フライパンシア
オーブンロースト/リバースシア
別名大きなTボーン, Large T-bone
ショートロイン後方で、ストリップと大きなテンダーロインがT字骨に付く。
ヒレ側はバターのように柔らかく、サーロイン側は歯ごたえが楽しめる。
上品なヒレの風味と力強いサーロインの旨味を一皿で味わえる。
2人で分けるステーキやテーブルカービングに。共有スタイルの付け合わせとどうぞ。
両面を焼き色づけ、オーブンではヒレ側を熱源から遠ざけて仕上げる。
1枚900〜1100gほど。提供時はサーロインとヒレを分けてカット。
しっかり休ませ、それぞれの筋目に逆らって切る。テーブルにナイフを2本用意。
Tボーンステーキ (T-Bone Steak)
ショートロイン(ストリップ)
サシ中程度
ミディアムレア
グリル・直火
フライパンシア
別名Tボーン, Small porterhouse, Bone-in strip steak
ショートロイン前方から切り出され、ストリップと小ぶりなヒレがT字骨についている。
ストリップ側は噛み応えがあり、ヒレ側はバターのように柔らかい。
力強い旨味と繊細な食感を一度に味わえる定番ステーキ。
ボリューム満点の一人前やバックヤードBBQ、付け合わせ共有のステーキハウス提供に。
高火力で焼き色を付けた後、熱源から遠ざけてヒレ側が直火に当たらないようにする。
厚さ約3.5cm、重さ600〜750gを目安にし、8〜10分休ませる。
炎が上がる場合はヒレ側をホイルで覆い、提供時はそれぞれの筋肉を分けてカットする。
クラブステーキ(骨付きストリップロイン) (Club Steak (Bone-in Striploin))
ショートロイン(ストリップ)
サシ中程度
ミディアム
フライパンシア
オーブンロースト/リバースシア
別名ホテルステーキ, Bone-in striploin, Hotel steak
ショートロインのリブ側最初のカットで、サーロイン芯に小さな骨が付く。
サーロインらしい歯ごたえに骨髄の香りが加わり、ジューシーに仕上がる。
ストリップ本来の旨味に、骨の香りと香ばしい脂が加わる。
クラシックなステーキハウスメニューや一人前の提供、クリームスピナッチとの組み合わせに。
鋳鉄でしっかり焼き、バターでアロゼしてからオーブンで芯温54〜56℃に仕上げる。
厚さ4cm、450〜650g程度に切り、7分休ませる。
表面のスジを取り、脂の角を整えて均一に焼き色を付け、仕上げにフレークソルトを振る。
トップサーロインステーキ (Top Sirloin Steak)
サーロイン
サシ中程度
ミディアム
グリル・直火
フライパンシア
別名サーロイン芯, Center-cut sirloin, Baseball steak
サーロインの芯をキャップ肉から切り離して整えた赤身ステーキ。
ほどよい噛み応えと細かなサシがあり、強火の焼きにも耐える。
ビーフ感が強くミネラルのニュアンスもあり、スパイスラブとも好相性。
デイリーステーキやサラダのトッピング、串焼き、ステーキフリットに。
マリネまたはドライブラインしてから、グリルまたはフライパンでミディアムに焼き上げる。
厚さ2.5〜3cm(220〜260g)に切り、繊維に逆らって斜めにスライス。
シルバースキンや尾側のスジは取り除き、食感を均一に。
ピカーニャ(イチボ) (Picanha (Sirloin Cap))
サーロイン
サシが豊富
ミディアム
グリル・直火
オーブンロースト/リバースシア
別名イチボ, Coulotte, Rump cap
サーロイン上部にある三角形の外蓋筋で、厚い脂肪に覆われている。
薄く切れば柔らかく弾力があり、脂のキャップは香ばしく焼ける。
濃厚な旨味にバターのような脂が滴り、肉に絡む。
シュラスコ串や塊で焼いてからスライスする提供に最適。
脂に切り込みを入れてドライブラインし、脂を上にしてじっくり火を入れ、最後に直火でカリッと仕上げる。
1〜1.5cm厚にスライスするか、塊で焼いてから繊維を断つように切る。
脂は残したまま、内側が火を通しすぎないようじっくり脂を落とす。
トライチップステーキ(トライアングル) (Tri-Tip Steak)
サーロイン
サシ中程度
ミディアムレア
グリル・直火
オーブンロースト/リバースシア
別名サンタマリアステーキ, Triangle roast, Santa Maria steak
下サーロインの三角形の筋肉(大腿筋膜張筋)から外側の脂を整えて切り出す。
やや粗めの繊維だがサシは適度。部位ごとに筋目が変わるため、逆目に切ると柔らかい。
力強い旨味にほのかなスモーク感があり、薪火で焼くと甘みが引き立つ。
サンタマリア式BBQ、スライスして盛り合わせ、サンドイッチやタコスに。
ドライブライン後に脂側から焼き付け、間接火で54〜56℃まで火を入れ、最後に高温で焼き締める。
1.0〜1.3kgで塊のままローストするか、2cm厚にカットし、10分休ませてから切る。
筋目が変わるので、先端と太い部分をそれぞれ筋に逆らってスライスする。
バベットステーキ(サーロインフラップ) (Sirloin Flap Steak (Bavette))
サーロイン
サシ中程度
ミディアムレア
グリル・直火
強火の炒め物
別名バベット, Bavette steak, Flap meat
サーロインのフラップ部分(内腹斜筋)で、シルバースキンを取り除いて使用する。
繊維が粗く弾力があるが、逆目に薄切りすると柔らかく、短時間の焼成に向く。
ビーフ感が強くミネラル感もあり、マリネやソースをよく吸う。
ファヒータ、ステーキフリット、炒め物、タコスアルカルボンに。
2〜4時間マリネし、高火で各面2〜3分焼いて休ませ、繊維を断って薄切りにする。
800〜1000gほどの塊で提供するか、1.5cm幅の短冊にして炒め物に使う。
しっかり角度をつけて筋に逆らって斜めに切ると、柔らかな食感が得られる。
フラットアイアンステーキ (Flat Iron Steak)
チャック(肩)
サシ中程度
ミディアムレア
フライパンシア
グリル・直火
別名ミスジステーキ, Top blade steak, Butler's steak
肩のトップブレードから中央のスジを取り除いて平たくした部位。
細かなサシで柔らかく、スジを除いているので口当たりが良い。
旨味が濃くほのかな甘みもあり、マリネやチミチュリとも好相性。
短時間のグリルや、タコス、ステーキサラダ、ビストロランチに。
強火で素早く焼いてミディアムレアに。少し休ませてから薄くスライス。
厚さ2cm(180〜220g)に切り、そのまま提供するかスライスしてシェアに。
火を通しすぎるとコラーゲンが失われ乾きやすいので注意。
デンバーステーキ (Denver Steak)
チャック(肩)
サシ中程度
ミディアムレア
低温調理(スービッド)
フライパンシア
別名ウワミスジ, Underblade steak
肩のアンダーブレード(前鋸筋)からで、霜降りが豊富。
細かな霜降りでジューシー。フラットアイアンより少し歯応えがあるが柔らかい。
濃厚でバターのような旨味があり、スモークやスパイスにも負けない。
鋳鉄で焼き付けたり、スモーク後にシアしたり、タコスや丼の具にも。
リバースシアまたは低温調理で54〜56℃まで火入れし、最後に強火で焼き目を付ける。
厚さ2.5cm(200〜240g)に切り、7分休ませてから繊維を断つようにスライス。
外側の厚い脂は薄く整えつつ薄い層は残す。小分け冷凍にも向く。
ショルダーテンダー(テリスマジョール) (Shoulder Tender (Teres Major))
チャック(肩)
赤身中心
ミディアムレア
低温調理(スービッド)
フライパンシア
別名肩ヒレ, Petite tender, Bistro tender
肩甲骨の下に隠れる円筒状の筋肉で、スジを丁寧に取り除いて整える。
ヒレ肉に匹敵する柔らかさで、きめ細かくスジがほとんどない。
穏やかな甘みとミネラル感があり、コンパウンドバターで引き立つ。
ビストロのメダリオン、上質な串焼き、小ぶりのステーキ皿に最適。
シルバースキンを除き、必要ならタコ糸で整え、低温調理または穏やかにロースト後に強火で焼き締める。
150〜180gのメダリオンに分けるか、500〜700gで塊のまま焼いて厚めにスライス。
側面の薄い膜状の筋は取り除き、上品な味わいを活かすため味付けは控えめに。
ランチステーキ(ショルダーセンター) (Ranch Steak)
チャック(肩)
赤身中心
ミディアム
グリル・直火
フライパンシア
別名ショルダーセンターステーキ, Shoulder center steak, Arm steak
肩の中心部(三頭筋)から切り出し、骨と厚い脂を取り除いたもの。
赤身でややしっかりとした食感。繊維が目立つためマリネや下処理が有効。
力強いビーフ感と香ばしさがあり、スモークやペッパー系のスパイスにも負けない。
デイリーステーキ、ファヒータ、サラダ、サンドイッチ用スライスに。
4〜6時間マリネしてからグリルまたはフライパンでミディアムに焼くと柔らかい。
厚さ1.5〜2cm、1枚170〜200gほどにカット。
表面に浅い切り込みを入れて反り返りを防ぎ、提供時に繊維を断って薄く切る。
チャックアイステーキ (Chuck Eye Steak)
チャック(肩)
サシ中程度
ミディアムレア
グリル・直火
フライパンシア
別名チャックアイロール, Delmonico steak, Poor man's ribeye
リブアイに隣接するチャックロール(第4〜5肋間)から、芯とリブキャップを残して切り出す。
霜降りは適度で、火入れを丁寧にすればリブアイに近い柔らかさ。
リブアイを思わせる濃厚な旨味がありつつ、脂はやや控えめ。
グリル、鋳鉄でのシア、ステーキサンド、焼肉用スライスに向く。
ツーゾーングリルやリバースシアで脂を落としつつ中心を焼きすぎないようにする。
厚さ2.5cmで250〜300gほどにカットし、7〜8分休ませてからカット。
第5肋に近い部分を選ぶと柔らかい。目立つスジがあれば取り除く。
トップラウンド(ロンドンブロイル) (Top Round (London Broil))
ラウンド(後脚)
赤身中心
ミディアムレア
グリル・直火
オーブンロースト/リバースシア
別名ウチモモ, Inside round, London broil
後脚内側の赤身で、繊維が長くまっすぐ通っている。
脂肪が少なくしっかりした肉質で、繊維を断つ薄切りにすると食べやすい。
クリーンなビーフ感で、マリネや濃いソースとも相性良い。
マリネしてブロイル後に薄切り、ローストビーフサンド、ジャーキー、炒め物に。
一晩マリネし、ローストまたはグリルでレア〜ミディアムに。休ませてから薄切り。
1〜1.3kgの塊でローストするか、1.5cm厚に切ってマリネする。
ステーキとして使う場合は、テンダライザーや軽い叩きで柔らかくする。
アイオブラウンド (Eye of Round Roast)
ラウンド(後脚)
赤身中心
ミディアム
オーブンロースト/リバースシア
低温調理(スービッド)
別名シンタマ芯, Round eye roast
後脚外側を走る円柱状の赤身で、非常に脂が少なくきめが細かい。
赤身でやや硬め。低温調理して極薄にスライスすると持ち味が出る。
クリーンでニュートラルな味わい。ローストビーフやたたき向き。
低温でローストしてローストビーフ、サンド用スライス、低温たたき、ジャーキーに。
54℃程度で低温調理またはローストし、冷却後に繊維を断って薄切り。冷製・温製どちらも可。
1.5〜2kgで塊のままローストするか、2cm厚に切って叩いてカツに。
必ず繊維を断つよう極薄に切り、提供前に脂やジュを塗って潤いを足す。
サーロインティップステーキ(シンタマ芯) (Sirloin Tip Steak)
ラウンド(後脚)
赤身中心
ミディアムレア
グリル・直火
強火の炒め物
別名シンタマ芯ステーキ, Knuckle center steak, Round tip steak
シンタマ(大腿直筋)からシルバースキンを除いて整えた部位。
赤身で細かな繊維を持ち、トップサーロインよりややしっかりだが、逆目に切れば柔らかい。
クリーンなビーフ感で、マリネやハーブバター、ペッパーソースと好相性。
グリルステーキ、細切りの炒め物、カルネアサダ、サラダ用スライスに。
4〜6時間マリネし、52〜54℃までグリルまたはシアして軽く休ませ、筋目の変化に合わせて逆らうようカット。
2cm厚180〜220gのステーキにするか、1cm幅に切って炒め物やファヒータに使う。
筋目が分岐するので、スライス前にサイドの筋肉を外しておくと切りやすい。
ボトムラウンドフラットロースト (Bottom Round Flat Roast)
ラウンド(後脚)
赤身中心
ミディアム
オーブンロースト/リバースシア
燻製・スモーク
別名外モモフラット, Outside round flat, Baron of beef
後脚外側の大きく平たい赤身で、厚いスジを除きスライスローストに適する。
脂が少なく密度が高いので、穏やかに火入れして薄くスライスすると良い。
クセのないビーフの味わいで、ジュやグレービー、マスタードソースと好相性。
ビュッフェのローストビーフ、スライサーでの冷製、イタリアンビーフの煮込み、ほぐしサンドに。
110〜120℃でゆっくりロースト、または54〜57℃までスモークし、冷却してからスライスすると綺麗。
2.5〜4kgの塊で宴席用にローストするか、1cm厚に切ってルーラードや煮込みに使う。
油と塩を含むラブで表面を保護し、提供時に必要分だけ切ると乾燥を防げる。
スカートステーキ(ハラミ/サガリ) (Skirt Steak (Inside/Outside))
プレート・フランク
サシ中程度
ミディアムレア
グリル・直火
フライパンシア
強火の炒め物
別名ハラミ, サガリ, Philadelphia steak, Romanian tenderloin
横隔膜の筋肉で、細長く平たい。「アウトサイド」は厚みがあり、「インサイド」は薄い。
繊維が粗くほぐれやすい。切り方を間違えると硬いが、肉汁は非常に多い。
鉄分を感じる濃厚な赤身の味で、どの部位よりもマリネ液をよく吸う。
ファヒータ、カルネアサダ、炒め物、シュラスコに。
酸味のあるマリネ液に漬け、強火でミディアムレアに焼き、必ず繊維を断つように切る。
400〜600gの長い帯状。焼きやすい長さにカットして調理。
硬い皮(シルバースキン)が付いている場合は調理前に取り除く。
フランクステーキ(ササバラ) (Flank Steak)
プレート・フランク
赤身中心
ミディアム
グリル・直火
フライパンシア
煮込み・ブレイズ
別名カイノミ(近縁), ササミ, Jiffy steak, London broil (misnomer)
腹壁にある平らな楕円形の筋肉。赤身主体で縦方向の繊維がはっきりしている。
歯ごたえがあるが旨味は強い。美味しく食べるには繊維を断つ薄切りが必須。
力強い肉の味があり、ライム、醤油、クミンなどの強い味付けに負けない。
ロンドンブロイル、ファヒータ、炒め物、野菜巻き(マタンブレ)に。
マリネして柔らかくし、強火でミディアムに焼く。10分休ませて斜めに薄切り。
1枚0.8〜1.2kg。通常は丸ごと焼いてからスライスする。
表面に浅くダイヤ状の切り込みを入れると味が染み込みやすい。
ハンガーステーキ(サガリ) (Hanger Steak (Onglet))
プレート・フランク
サシ中程度
ミディアムレア
グリル・直火
フライパンシア
別名ハンギングテンダー, Butcher's steak, Hanging tender
横隔膜からぶら下がるV字型の筋肉。一頭から一つしか取れない希少部位。
繊維質だが柔らかい。中央に太いスジがあり、これを除いて2つのブロックに分ける。
レバーや腎臓に例えられる濃厚で鉄分豊富な野性味あふれる味わい。
ビストロのステーキフリット、タコス、エシャロットと合わせたグリルに。
中央のスジを取り、強火でミディアムレアに焼く。よく休ませて繊維を断つ。
全体で700〜900g。トリミング後は2本の長いステーキになる。
ミディアム以上に焼くとレバーっぽく硬くなるので注意。かつては「肉屋の賄い」だった。