F1レース用語リファレンス表
マシン構造からタイヤ戦略、無線用語、天候判断までF1に関する用語をまとめて解説。
カテゴリ
全ての分類
| 用語 | 略語 | カテゴリ | 説明 | 使い方・補足 |
|---|---|---|---|---|
| ダーティエア (Dirty Air) | — | 一般概念 | 前を走るマシンが生む乱流で、後続車のダウンフォースを減少させる空気のこと。 | フロントウイングの効きが落ちるため、ダーティエアでは接近走行が難しくなる。 |
| パルクフェルメ (Parc Fermé) | — | 一般概念 | FIA が車両を管理し、限られたセット変更のみ許される状態。 | 予選後はパルクフェルメに入り、チームは選んだセットで戦う必要がある。 |
| スリップストリーム (Slipstream) | — | 一般概念 | 前車の後ろに入ることで空気抵抗が減少する現象。 | チームは長いストレートで味方にスリップを与える作戦を取ることがある。 |
| クリッピングポイント (Apex) | — | 一般概念 | 最速ラインを通るためにマシンを内側に寄せるコーナーの頂点。 | クリッピングポイントを外すとコーナリングスピードが落ち、立ち上がりが犠牲になる。 |
| 理想ライン (Racing Line) | — | 一般概念 | コーナーの進入・頂点・立ち上がりを最適化した最速の走行ライン。 | 週末が進むとラバーが乗った部分がレーシングラインとしてくっきりしてくる。 |
| トラックリミット (Track Limits) | — | 一般概念 | 白線で示されたコースの境界で、車両はここから外れてはならないと規定されている。 | トラックリミットの違反を繰り返すと警告の後にタイムペナルティが科される。 |
| 青旗 (Blue Flag) | — | 一般概念 | 遅い車両に対し、後方の速い車を妨げずに先に行かせるよう示す旗。 | 青旗を無視すると走路妨害でペナルティを受ける可能性がある。 |
| 黄旗 (Yellow Flag) | — | 一般概念 | 前方に危険があることを知らせ、ドライバーは減速して進路変更に備えなければならない合図。 | ダブルイエローでは大幅な減速と追い越し禁止が課される。 |
| セーフティカー (Safety Car) | SC | 一般概念 | 重大なインシデントが起きた際にレースをニュートラル化し、隊列を先導する車両。 | セーフティカー導入時に無料のピットストップを狙うチームが多い。 |
| バーチャルセーフティカー (Virtual Safety Car) | VSC | 一般概念 | 隊列をまとめることなく区間ごとの最低タイムを強制するレースのニュートラル措置。 | VSC中はデルタをプラスに保つ必要がある。 |
| アンダーステア (Understeer) | — | 一般概念 | フロントタイヤが先にグリップを失い、コーナーで外へ膨らむ挙動。 | アンダーステアにはフロントウイング角度やブレーキバランスの調整が用いられる。 |
| オーバーステア (Oversteer) | — | 一般概念 | リアタイヤが先にグリップを失い、車体が想定以上に向きを変える挙動。 | 予選では回頭性を得るため少しオーバーステアを好むが、決勝では安定性を重視して抑える。 |
| ロックアップ (Lock-Up) | — | 一般概念 | ブレーキングでタイヤが回転を止めて滑る現象で、フラットスポットを生むことが多い。 | ブレーキが冷えているとオープニングコーナーでロックアップしやすい。 |
| アウトラップ (Out Lap) | — | セッション・周回 | ピットを出て最初に走る周回で、タイヤを温めたりアタックの準備に使う。 | アウトラップでブレーキとタイヤ温度を整えることがアタック成功の鍵となる。 |
| フライングラップ (Flying Lap) | — | セッション・周回 | ウォームアップ後に全力で走る計測ラップで、予選で最速タイムを狙う。 | チームはスリップを使ったりしてフライングラップでのクリアラップを確保する。 |
| クールダウンラップ (Cool-Down Lap) | — | セッション・周回 | タイムアタックやレース終了後に速度を落としてタイヤやブレーキを冷ます周回。 | インラップでは必要に応じてマーブルを拾い、車検の重量を確保することがある。 |
| フォーメーションラップ (Formation Lap) | — | セッション・周回 | 決勝スタート前にグリッドを離れてタイヤを温め、再び所定の位置に整列する周回。 | フォーメーションラップで蛇行やバーンアウトを行い、タイヤ温度を上げる。 |
| レコノサンスラップ (Reconnaissance Lap) | — | セッション・周回 | フォーメーションラップ前にピットからグリッドへ向かい、マシンと路面状況を確認する周回。 | ピットレーンが閉まるまで複数回のレコノサンスラップが可能だ。 |
| フリー走行1回目 (Free Practice 1) | FP1 | セッション・周回 | 週末最初の走行で、基礎データの収集や若手ドライバーの起用に充てられることが多い。 | FP1で新しいエアロパッケージを試し、セットを固めていく。 |
| フリー走行2回目 (Free Practice 2) | FP2 | セッション・周回 | 決勝と近い時間帯で行われ、レースシミュレーションに充てられることが多い。 | FP2のロングランペースがタイヤの挙動を最もよく示す。 |
| フリー走行3回目 (Free Practice 3) | FP3 | セッション・周回 | 予選前最後の走行で、短いアタックとセットアップの微調整に集中する。 | FP3がパルクフェルメ前に予選仕様を確認できる最後の機会となる。 |
| 予選 (Qualifying) | — | セッション・周回 | 3段階のノックアウト方式でスターティンググリッドを決める計時セッション。 | 予選の速さは新品タイヤを引き出す力がどのチームにあるかを示す。 |
| Q1 | Q1 | セッション・周回 | 予選の最初のセッションで、下位5台が脱落する。 | 狭い市街地サーキットではQ1でのトラフィック処理が重要。 |
| Q2 | Q2 | セッション・周回 | 予選の第2セッションで、トップ10進出者を決めつつ5台が脱落する。 | Q2では確実に進出するために2セットのタイヤを投入することもある。 |
| Q3 | Q3 | セッション・周回 | 予選の最終セッションで、残った10台がポールポジションを争う。 | 高速サーキットではQ3でのポール争いにスリップストリームが影響する。 |
| スプリント (Sprint) | — | セッション・周回 | 一部の週末で開催され、ポイントが与えられる短距離レースで本戦とは別の結果となる。 | スプリントでのリスクを管理し、本戦への影響を最小限に抑える必要がある。 |
| スプリントシュートアウト (Sprint Shootout) | — | セッション・周回 | スプリント週末に行われ、スプリントのグリッドを決める短縮予選。 | スプリントシュートアウトでは各セッションで使用タイヤが指定されている。 |
| アンダーカット (Undercut) | — | レース戦略 | ライバルより先にピットインし、新品タイヤでタイムを稼ぐ戦略。 | タイヤ劣化が激しいときはアンダーカットがより効果的になる。 |
| オーバーカット (Overcut) | — | レース戦略 | ライバルより長く走り続け、クリアなトラックやタイヤ差を生かす戦略。 | タイヤの持ちが良く前方が空いている状況でオーバーカットが決まりやすい。 |
| ボックス・ボックス (Box, Box) | — | レース戦略 | 今の周回の終わりにピットへ入るよう指示する無線メッセージ。 | エンジニアは「ボックス、ボックス」と繰り返して指示を明確にする。 |
| デルタタイム (Delta Time) | — | レース戦略 | セーフティカーやVSC時に守るべき最低タイム基準を示す数値。 | ステアリングのディスプレイを見てデルタをグリーンに保つよう管理する。 |
| ピットウインドウ (Pit Window) | — | レース戦略 | タイヤ寿命や燃料、トラフィックを考慮して設定するピットイン予定周回の範囲。 | セーフティカー導入で予定より早くピットウインドウを切り上げざるを得ないことがある。 |
| オフセット戦略 (Offset Strategy) | — | レース戦略 | ライバルと異なるコンパウンド順を採用し、別のタイミングでペースや寿命の優位を作る戦略。 | チームは複数の展開に備えるため、2台のマシンで戦略をずらすことがある。 |
| スプリット戦略 (Split Strategy) | — | レース戦略 | 不確実性に備えるため、チームが2台を異なるレースプランで走らせる手法。 | スプリット戦略なら1台がセーフティカー頼みの賭けに出て、もう1台が確実策を取れる。 |
| ワンストップ (One-Stop) | — | レース戦略 | 1回のピットストップで戦う戦略で、各スティントのタイヤを持たせる必要がある。 | デグが少なくピットロスが大きいサーキットではワンストップが有利に働く。 |
| ツーストップ (Two-Stop) | — | レース戦略 | 2回のピットストップでタイヤを常に最適な温度と摩耗域に保つ戦略。 | バルセロナのようなデグが大きいコースではツーストップが報われることが多い。 |
| セーフティカーピットストップ (Safety Car Pit Stop) | — | レース戦略 | セーフティカー導入中に行うピットストップで、走り続けるライバルよりタイムロスが小さい。 | 終盤のセーフティカーで無料ピットを狙えるよう、タイヤを温存するチームもある。 |
| オルタネートタイヤ戦略 (Alternate Tyre Strategy) | — | レース戦略 | 義務付けられた別コンパウンドを早めに使い、終盤の戦略幅を広げる手法。 | オルタネート戦略で遅い車の後ろに詰まるリスクを減らせる。 |
| Cコンパウンド (C-Compound) | C1–C5 | タイヤとデグラデーション | ピレリが定めるドライタイヤ5種類の呼称で、最も硬いC1から最も柔らかいC5まである。 | 毎戦FIAが3種類を選び、その週末のハード・ミディアム・ソフトとして使用する。 |
| ハードタイヤ (Hard Tyre) | H | タイヤとデグラデーション | サイドに白いマーキングを持つスリックで、最も耐久性があるがピークグリップは低い。 | 暑いレースでは長いディフェンシブスティントにハードを使うことが多い。 |
| ミディアムタイヤ (Medium Tyre) | M | タイヤとデグラデーション | サイドに黄色マーキングを持つスリックで、寿命と速さのバランスが良く決勝で多用される。 | セーフティカー明けのリスタートでは多くがミディアムを履いている。 |
| ソフトタイヤ (Soft Tyre) | S | タイヤとデグラデーション | サイドが赤いスリックで、最もグリップが高いが消耗も早い。 | ソフトは予選や終盤の攻勢に最適だ。 |
| スリックタイヤ (Slick Tyres) | — | タイヤとデグラデーション | トレッドに溝がなく、ドライ路面で接地面積とグリップを最大化するタイヤ。 | 路面が十分乾いてラインが出てくるとスリックに履き替える。 |
| グレイニング (Graining) | — | タイヤとデグラデーション | タイヤ表面のゴムが粒状に剥がれ、グリップが一時的に低下する現象。 | 路面温度が低いときやスライドした際に特にフロントタイヤで起こりやすい。 |
| ブリスター (Blistering) | — | タイヤとデグラデーション | タイヤ表面が過熱して気泡ができ、大きなゴム片が剥がれる現象。 | 過度なキャンバーや攻めたセットでは暑い日にブリスターが発生しやすい。 |
| フラットスポット (Flat Spot) | — | タイヤとデグラデーション | ロックアップの後にタイヤ表面が平らに削れて振動を生む現象。 | 大きなフラットスポットができると追加のピットインを余儀なくされる。 |
| マーブル (Marbles) | — | タイヤとデグラデーション | レーシングライン外に溜まるタイヤかすで、拾うとグリップが落ちる。 | レース終盤はラインを外すとマーブルで滑りやすいため追い越しを躊躇する。 |
| ヒートサイクル (Heat Cycle) | — | タイヤとデグラデーション | タイヤを温めてから冷ます一連の過程で、再使用時の特性に影響を与える。 | スクラブドタイヤは一度ヒートサイクルを済ませており、内圧が安定する。 |
| スクラブドタイヤ (Scrubbed Tyres) | — | タイヤとデグラデーション | 離型剤を落とし内圧を安定させるために軽く走らせたタイヤ。 | 決勝スタートに備えてフリー走行でタイヤをスクラブしておくことが多い。 |
| タイヤブランケット (Tyre Blankets) | — | タイヤとデグラデーション | 装着前に規定温度までタイヤを予熱する電熱カバー。 | タイヤブランケットの加熱時間を厳密に管理し、過熱させずに適温を保つ。 |
| MGU-K | MGU-K | マシンシステム | ブレーキングでエネルギーを回収し、必要に応じて駆動系へ電力を供給するハイブリッドユニット。 | MGU-Kのデプロイマップを最適化し、タイムとエネルギーのバランスを取る。 |
| MGU-H | MGU-H | マシンシステム | ターボチャージャーに接続され、排気エネルギーを回収してターボ速度を制御するユニット。 | MGU-Hはターボ軸を加速・減速させて過給のレスポンスを整える。 |
| ERS | ERS | マシンシステム | F1マシンでエネルギーを回収・放出するハイブリッド各部を指す総称。 | ストレートで守るときや落ち着いた周回に充電するときなどERSモードを切り替える。 |
| エナジーストア (Energy Store) | ES | マシンシステム | 回収した電気エネルギーを蓄えておく高電圧バッテリーパック。 | 暑い市街地ではエナジーストアの温度管理が特に重要になる。 |
| 内燃エンジン (Internal Combustion Engine) | ICE | マシンシステム | 1.6リッターV6ターボエンジンで、パワーユニットの燃焼部分を担う。 | ICEの走行距離を管理し、信頼性が落ちる前に交換計画を立てる。 |
| ターボチャージャー (Turbocharger) | TC | マシンシステム | 排気エネルギーで作動し、吸気を圧縮して出力を高める装置。 | スティント終盤の出力低下を防ぐため、ターボの温度管理が徹底される。 |
| コントロールエレクトロニクス (Control Electronics) | CE | マシンシステム | ハイブリッドシステムやエンジン設定、データ記録を制御する標準電子機器。 | エンジン自体に問題がなくても、コントロールエレクトロニクスの不具合でリタイアすることがある。 |
| ブレーキ・バイ・ワイヤ (Brake-By-Wire) | BBW | マシンシステム | 後輪ブレーキ圧と回生を電子制御で最適化するシステムで、機械的なリンクを用いない。 | ハイブリッドの回生に合わせてブレーキバイワイヤのマップを調整し、踏力の感覚を揃える。 |
| フロントウイング (Front Wing) | — | マシンシステム | マシン先端に位置する主要エアロパーツで、ダウンフォースを生みつつ空気を導く。 | セッション間にバランスを変える手段としてフロントフラップ角の調整が用いられる。 |
| リアウイング (Rear Wing) | — | マシンシステム | ギアボックス上に搭載され、後輪のダウンフォースの大半を担う大型ウイング。 | サーキットの特性に合わせてリアウイングの角度や仕様を変更する。 |
| ビームウイング (Beam Wing) | — | マシンシステム | エンドプレート下部に取り付けられ、ディフューザーの気流を整えて安定性を高める補助ウイング。 | ストレートが多いサーキットではドラッグ低減のためビームウイングを削ることがある。 |
| ディフューザー (Diffuser) | — | マシンシステム | フロア後端が持ち上がった部分で、気流を加速させて負圧を生み出しダウンフォースを得る。 | ウイングが無傷でもディフューザーを損傷するとグリップが大きく低下する。 |
| フロア (Floor) | — | マシンシステム | 車体下部の大きなエアロ面で、ベンチュリトンネルを通じてグラウンドエフェクトを発生させる。 | 路面の凹凸でフロアが失速しないよう、車高センサーで管理している。 |
| サイドポッド (Sidepod) | — | マシンシステム | コックピット両側に位置し、ラジエーターや冷却ダクト、エアロ形状を収めるボディワーク。 | サイドポッドの形状によって冷却効率や後方への気流が変わる。 |
| ハロ (Halo) | — | マシンシステム | コックピット開口部を囲み、飛来物を逸らしてドライバーの頭部を守るチタン製構造。 | 重大クラッシュでハロの命を守る効果が幾度も証明されている。 |
| サバイバルセル (Survival Cell) | — | マシンシステム | ドライバーと燃料タンクを収め、強大な衝撃に耐えるカーボン製モノコック。 | サバイバルセルは毎年厳しい静的・動的クラッシュテストを受ける。 |
| プッシュロッドサスペンション (Pushrod Suspension) | — | マシンシステム | ホイールハブに繋がるロッドが上方向に押して、シャシー内側に配置したスプリングとダンパーを作動させる方式。 | 多くのチームがステアリング周りのレイアウトを容易にするためフロントにプッシュロッドを用いる。 |
| プルロッドサスペンション (Pullrod Suspension) | — | マシンシステム | ロッドが下方へ引っ張り、シャシー下部に置かれたサスペンション要素を作動させる構造で、重心を下げられる。 | 複数のチームがディフューザー上の気流を整えるためリアにプルロッドを採用している。 |
| ブレーキダクト (Brake Duct) | — | マシンシステム | ホイール周辺に設けられ、ブレーキを冷却しつつタイヤ周りの気流を整える吸気口。 | 気温やブレーキ負荷に応じてブレーキダクトのサイズを変更する。 |
| パープルセクター (Purple Sector) | — | テレメトリ・無線 | タイミングモニターで紫色表示される区間タイムで、全車中最速を示す。 | 予選中にドライバーがセクター2でパープルを記録すると実況で触れられる。 |
| グリーンセクター (Green Sector) | — | テレメトリ・無線 | ドライバー自身のベストだが全体最速ではない区間タイムを示す色。 | グリーンが続くとドライバーが周回ごとにペースを上げていることが分かる。 |
| イエローセクター (Yellow Sector) | — | テレメトリ・無線 | 自己ベストより遅い区間タイムを示す色で、トラフィックやミスが原因となる。 | エンジニアはイエローの出た区間を調べ、どこでタイムを失ったか確認する。 |
| リフト・アンド・コースト (Lift and Coast) | — | テレメトリ・無線 | ブレーキポイント手前で早めにアクセルを抜き、惰性で走って燃費や温度を管理する走法。 | 市街地サーキットではブレーキの過熱を避けるためリフト&コーストが指示される。 |
| ブレーキマジック (Brake Magic) | — | テレメトリ・無線 | メルセデスが使用する用語で、フォーメーションラップでフロントブレーキとタイヤを温める極端なブレーキバランス設定。 | リスタートで解除し忘れるとフロントが簡単にロックしてしまう危険がある。 |
| テレメトリーストリーム (Telemetry Stream) | — | テレメトリ・無線 | マシンからピットウォールへリアルタイムで送られるセンサーデータの連続伝送。 | テレメトリーの異常値を早期に検知して故障を未然に防ぐ。 |
| スロットルトレース (Throttle Trace) | — | テレメトリ・無線 | 時間経過に対するアクセル開度を示し、ドライビングや車の反応を分析するグラフ。 | チームメイト同士のスロットルトレースを比べると誰が早く踏み始めているかが分かる。 |
| ブレーキトレース (Brake Trace) | — | テレメトリ・無線 | 1周を通じてのブレーキ圧を示し、コントロールやトレイルブレーキング、バランスを評価するグラフ。 | ブレーキトレースを見れば、強いブレーキングゾーンで早めに踏み抜いているかが分かり自信の有無を評価できる。 |
| ストラットモード (Strat Mode) | — | テレメトリ・無線 | ステアリングで選択するエンジンとハイブリッド放出のプリセットマップで、出力と効率を切り替える。 | ドライバーはアタック時と省エネ時でストラットモードを切り替える。 |
| ドライブスルーペナルティ (Drive-Through Penalty) | — | ペナルティ | ピットレーンを減速して通過しなければならない罰則で、大きなタイムロスとなる。 | フライングスタートや度重なるトラックリミット違反で課されることが多い。 |
| ストップ・アンド・ゴーペナルティ (Stop-Go Penalty) | — | ペナルティ | ピットボックスで所定時間停止した後に再スタートしなければならない罰則。 | 10秒のストップゴーは失格を除けば最も重いレース中の罰則の一つ。 |
| グリッドペナルティ (Grid Penalty) | — | ペナルティ | レース前にグリッドを規定数下げられる処分で、パワーユニット交換などで科されることが多い。 | 多数のグリッド降格を受ける場合、チームは新品パワーユニットを投入して最後尾スタートを選ぶことがある。 |
| タイムペナルティ (Time Penalty) | — | ペナルティ | 決まった秒数がレースタイムに加算されるか、次のピットストップで停止して消化する罰則。 | 5秒加算はトラックリミット違反や危険なピットリリースでよく科される。 |
| 戒告 (Reprimand) | — | ペナルティ | スチュワードが出す公式の警告で、累積すると追加処分につながることがある。 | シーズン中に3回の戒告を受け、そのうち2回以上が運転面の違反の場合は10グリッド降格となる。 |
| ペナルティポイント (Penalty Points) | — | ペナルティ | インシデントによりFIAスーパーライセンスに加算されるポイントで、12か月以内に12点に達すると出場停止となる。 | ドライバーはグランプリ欠場にならないようペナルティポイントの残数を把握している。 |
| 黒白旗 (Black and White Flag) | — | ペナルティ | 非紳士的行為に対する最後の警告として振られ、これ以上の違反で処分が科される。 | 繰り返しのウェービングやトラックリミット違反で黒白旗が提示されることがある。 |
| 黒旗 (Black Flag) | — | ペナルティ | ドライバーに失格を告げ、直ちにピットへ戻るよう命じる旗。 | 黒旗を無視するとFIAからさらなる処分を受ける可能性がある。 |
| トラックエボリューション (Track Evolution) | — | 天候・路面 | セッションや週末を通してラバーの付着や温度上昇により路面グリップが向上していくこと。 | 予選では路面が最も良くなる終盤にアタックを行うよう計画する。 |
| インターミディエイトタイヤ (Intermediate Tyres) | INT | 天候・路面 | 緑のマーキングが施された軽い雨や乾きかけの路面向けウェットタイヤで、浅い溝を持つ。 | 完全に乾いた路面ではインターミディエイトはすぐにオーバーヒートするため、スリックへの交換が必要になる。 |
| フルウェットタイヤ (Full Wet Tyres) | WET | 天候・路面 | 青いマーキングが入った深い溝のウェットタイヤで、多量のスタンディングウォーターを排水できる。 | 大量のスタンディングウォーターや視界不良の際にフルウェットが使用される。 |
| クロスオーバーポイント (Crossover Point) | — | 天候・路面 | 路面が乾き、ウェットよりスリックの方が速くなるタイミング。 | チームはセクターデルタを見てスリックへのクロスオーバーを見極める。 |
| アクアプレーニング (Aquaplaning) | — | 天候・路面 | 路面に水膜ができてタイヤが浮き上がり、グリップを失って制御不能になる現象。 | フルウェットでも排水しきれないとき、ドライバーはアクアプレーニングを訴える。 |
| ダンプパッチ (Damp Patch) | — | 天候・路面 | レーシングラインより乾きが遅く、ドライバーを不意に滑らせる湿った路面。 | スリックでの予選ではラインを外して湿った部分を踏むと一気にタイムを失う。 |
| 路面温度 (Track Temperature) | — | 天候・路面 | アスファルト表面の温度で、タイヤの性能や劣化に大きく影響する。 | チームは路面温度を見ながらスタート時のタイヤ圧を決める。 |
| 気温 (Ambient Temperature) | — | 天候・路面 | 周囲の空気の温度で、エンジン冷却やタイヤの温まり方に影響する。 | 気温が低いとタイヤを適正温度に保つのが難しくなる。 |
| 風向 (Wind Direction) | — | 天候・路面 | サーキットに吹く風の向きで、ブレーキングやコーナリングバランスに影響する。 | 向かい風が強まると1コーナーのブレーキポイントを遅らせられる。 |