部位カテゴリ
脂の量
調理の方向
部位・別名部位・整形食感・脂風味代表的な料理メモ
ボストンバット(肩ロース上部) (Boston Butt (Upper Shoulder))
肩・ネック
霜降り
低温でじっくり煮る・焼く
グリル・バーベキュー
オーブンロースト
別名肩ロース, コッパ, Pork collar, Shoulder butt
肩甲骨と背骨の間にある肩上部で、細かい脂が網目状に入る部位。
脂が多く、低温でじっくり火入れするとしっとり柔らかくほぐれやすい。
豚の甘みが強く、コラーゲンと脂がナッツのような香ばしさを加える。
プルドポーク、魯肉飯、チャーシュー、キューバ風レチョン、煮込み用角切りに最適。
外側の厚い脂は薄く整え、薄い脂の帽子は残す。ロースト時は格子状に切れ込みを入れると良い。
ピクニックショルダー(肩下部) (Picnic Shoulder (Lower Shoulder))
肩・ネック
バランス
低温でじっくり煮る・焼く
グリル・バーベキュー
煮込み・スープ
別名前脚付け根, Pork arm roast, Picnic roast
前脚に向かって伸びる肩下部。結合組織が多く皮付きのことが多い。
肩ロースよりしっかりした肉質だが、水分を保ちながら調理するととろけるようにほぐれる。
豚らしい旨味が強く、皮のゼラチンが煮汁にコクを出す。
アドボ、豚すね煮、スモークハム、ポソレ、ラーメン叉焼、タコスの具などに。
皮に切れ込みを入れて脂を均一に溶かす。ロースト前に一晩ブラインするとジューシー。
豚肩ロースステーキ (Pork Shoulder Steak)
肩・ネック
霜降り
さっと焼く・炒める
グリル・バーベキュー
炒め物
別名肩ロース厚切り, Blade steak, Coppa steak
ボストンバットを横断し骨を取り除いて1.5〜2cm厚に切ったもの。
霜降りが多く、程よい噛みごたえと柔らかさ。短時間で焼いて休ませると良い。
旨味が濃くほのかに甘い。マリネやスパイスラブ、コチュジャンソースとも好相性。
フライパンでの速焼き、焼肉、ポルトガル風ビファーナ、スライスして炒め物に。
調理前に30分ほどドライブライン。提供時は繊維を断つようにスライス。
プレサ・イベリカ (Presa Ibérica (Shoulder Loin))
肩・ネック
脂たっぷり
pork-cut-terminology-table.filters.method.options.grill
pork-cut-terminology-table.filters.method.options.pan-sear
オーブンロースト
別名肩ロース芯, Pork shoulder steak
肩の付け根にある楕円形の部位で、霜降りが非常に多く、肉色は濃い赤。
非常に柔らかくジューシー。ミディアムレアで焼くと口の中でとろける。
ドングリを食べて育ったイベリコ特有のナッツ香と濃厚な旨味があり、牛肉に近い。
塊焼き、メダリオンステーキ、高品質なものはカルパッチョにも。
赤身肉のように扱い、ピンク色(60〜62℃)を残して風味と食感を活かす。
セクレト・イベリコ (Secreto Ibérico (Hidden Cut))
肩・ネック
脂たっぷり
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pork-cut-terminology-table.filters.method.options.pan-sear
さっと焼く・炒める
別名豚トロ(広義), 隠し肉, Grub, Hidden fillet
肩甲骨と背脂の間に隠れている扇形の薄い筋肉で、見つけにくい部位。
繊維が粗く霜降りが凄まじい。焼くとカリッとし、驚くほどジューシー。
甘くクリーミーな脂の味が支配的。豚肉で最も美味しい部位とも言われる。
強火でさっとグリル、カリカリになるまでソテー、鉄板焼きに。
脂は取り除かない。短時間で脂を溶かし、外側をカリッと仕上げる。
センターカットロースロースト (Center-Cut Pork Loin Roast)
ロース・背骨まわり
赤身
オーブンロースト
さっと焼く・炒める
別名豚ロースかたまり, Strip loin, Boneless pork loin
背骨沿いの長いロース肉で、背脂と筋を丁寧に取り除いたもの。
脂は少ないがきめ細かい。60〜63℃まで火入れして休ませるとしっとり。
クセのない味で、ハーブクラストやフルーツグレーズ、ガーリックバターと好相性。
かたまりでロースト、メダリオンにして焼く、開いて詰め物をしてごちそうに。
前日に塩をすり込み、表面を焼き付けてからオーブンで優しく仕上げる。
豚ヒレ (Pork Tenderloin)
ロース・背骨まわり
赤身
さっと焼く・炒める
オーブンロースト
炒め物
別名ヒレ肉, Pork fillet
背骨の下にある細長い筋肉で、結合組織がほとんどなく非常に柔らかい。
非常に柔らかいが火を入れ過ぎると乾きやすいので温度管理が重要。
上品でほのかに甘い。マリネやベーコン巻き、スパイスクラストと好相性。
メダリオン、トルネード、シュニッツェル、バインミーの具、手早いローストに。
調理前に筋を取り除き、63℃まで火入れ。表面を焼いてからオーブン仕上げでも良い。
骨付きロースカツ用 (Bone-In Loin Chop)
ロース・背骨まわり
バランス
グリル・バーベキュー
さっと焼く・炒める
別名ロースカツ用チョップ, Porterhouse chop, Center-cut chop
ロースを横断して背骨と肋骨を含むカット。ヒレが少し付くことも。
比較的赤身だが骨付きでジューシーに仕上がり、ヒレ側は特に柔らかい。
定番の豚チョップの味わいで、ブラインやセージバター、グリルの香ばしさと好相性。
中火グリル、焼いてからオーブン、衣をつけてトンカツにも。
2時間以上ブラインし、62〜65℃まで火入れして5分休ませてからカット。
ベイビーバックリブ (Baby Back Ribs)
ロース・背骨まわり
バランス
グリル・バーベキュー
低温でじっくり煮る・焼く
オーブンロースト
別名ロインリブ, Loin ribs, Back ribs
ロースと背骨の境目から切り出す弓なりの肋骨で、スペアリブより短く脂が少ない。
繊維が細かく、低温でじっくり火入れすると膜が柔らかくなる。
マイルドな豚の味で、スパイスラブやフルーツウッドの香り、アジアンソースが映える。
4〜5時間スモーク、蒸し焼きしてからグレーズ、ゆでてから韓国風に焼くのも◎。
骨側の膜をはがしてから調理。ほろほろ手前で仕上げると食べやすい。
プルマ・イベリカ (Pluma Ibérica (Feather Loin))
ロース・背骨まわり
脂たっぷり
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pork-cut-terminology-table.filters.method.options.pan-sear
さっと焼く・炒める
別名翼の肉, Feather cut
ロースの端にある翼のような形の部位。小さく三角形で、霜降りが豊富。
柔らかくジューシー。赤身のロースの食感と脂の旨味のバランスが良い。
濃厚で旨味が強く、ナッツのような後味が特徴。
さっとグリル、ソテー、強火で炒める。
ミディアムレアからミディアムに焼き、休ませるのが柔らかさの秘訣。
トマホークポークチョップ (Pork Tomahawk Chop)
ロース・背骨まわり
バランス
pork-cut-terminology-table.filters.method.options.grill
オーブンロースト
pork-cut-terminology-table.filters.method.options.reverse-sear
別名骨付き豚ロース, Bone-in rib chop
肋骨を長く残し、先端をフレンチ仕立てにしたロースチョップ。
骨に守られたロース肉はジューシーで、脂身が潤いを与える。
穏やかな豚の味に、骨髄の香りと焦げた脂の風味が加わる。
見栄えのするグリル、リバースシア、パンローストに。
骨が焦げないようホイルで包み、温度計を使って調理する。
生の豚バラブロック (Fresh Pork Belly Slab)
バラ・サイドポーク
脂たっぷり
低温でじっくり煮る・焼く
オーブンロースト
グリル・バーベキュー
別名豚バラ肉, Side pork, Uncured belly
豚の腹側の骨なしブロックで、赤身と脂が層状になっている。
脂がゆっくり溶け、煮込みや焼き締めで赤身もしっとり仕上がる。
バターのようなコクと豚の甘みがあり、醤油・味噌・コチュジャン・黒糖の味もしっかり染みる。
東坡肉、クリスピーポーク、サムギョプサル、ポルケッタ、ラーメンのチャーシューに。
皮に切り込みを入れて一晩乾かすとパリッと仕上がる。巻いて縛ると火通りが均一。
セントルイスカットスペアリブ (St. Louis–Style Spare Ribs)
バラ・サイドポーク
霜降り
グリル・バーベキュー
低温でじっくり煮る・焼く
別名スペアリブ, Spare ribs, Side ribs
豚バラから長方形に整え、軟骨や端を取り除いて骨をそろえたもの。
ベイビーバックより肉厚で少し歯応えがあり、穏やかなスモークでゼラチン化する。
豚の旨味が濃く、パンチのあるスパイスラブやバーボングレーズ、トマトソースともよく合う。
3-2-1製法のスモーク、広東式チャーシューリブ、圧力鍋後にグリル、オーブン低温煮込みなど。
膜をはがし、スモーカーでは水皿で湿度を保ち、切る前に包んで休ませる。
しゃぶしゃぶ用豚バラ (Thin-Sliced Belly for Hot Pot)
バラ・サイドポーク
脂たっぷり
しゃぶしゃぶ・鍋料理
さっと焼く・炒める
炒め物
別名豚バラしゃぶしゃぶ, Shabu pork, Samgyeopsal slices
豚バラを半凍結させて極薄にスライスし、さっと火を通せるようにしたもの。
だしにくぐらせるだけでとろけるような食感。脂があるので短時間でもしっとり。
脂の甘みがあり、ゴマダレやポン酢、コチュジャン系ソースと相性抜群。
しゃぶしゃぶ、すき焼き、台湾火鍋、レタス巻き、ビビンバの具などに。
調理直前までよく冷やし、5〜8秒ほどくぐらせるとちょうど良い火入れ。
生ハム用レッグロースト (Fresh Ham (Leg Roast))
モモ・ハム用
バランス
オーブンロースト
低温でじっくり煮る・焼く
別名豚もも肉かたまり, Whole pork leg, Uncured ham
豚の後ろ脚の大きな塊で、骨付き。皮を残して焼けばパリッと仕上がる。
赤身中心でしっかりした噛みごたえだが、すね周りはゼラチン質で長時間焼くととろける。
さっぱりとした豚の味わいで、シトラスモホ、ハニーマスタード、ガーリックハーブやパイナップルグレーズとも合う。
祝祭のロースト、プエルトリコのペルニル、割ってシュバイネハクセ、角切りで出汁取りなど。
皮に深めの切り込みを入れて24時間マリネ。最初は高温で焼き目を付け、その後低温で仕上げる。
豚もも薄切りカツ用 (Leg Cutlets (Schnitzel Slices))
モモ・ハム用
赤身
さっと焼く・炒める
炒め物
別名ももカツ用, Pork leg steak, Ham steak
後ろ脚の内モモから薄く切り、筋を除いて叩いて柔らかくしたもの。
赤身で火の通りが早く、叩いて繊維をほぐすので揚げても固くなりにくい。
クセのない味で、パン粉揚げや醤油マリネ、トンカツソース、チミチュリとも合う。
ウィーナーシュニッツェル、トンカツ、ミラネサ、カツカレー、生姜焼きなどに。
揚げる直前に衣を付け、63℃まで火入れしたら少し休ませて肉汁を落ち着かせる。
豚すね肉 (Pork Hock (Shank))
モモ・ハム用
バランス
低温でじっくり煮る・焼く
煮込み・スープ
オーブンロースト
別名アイスバイン, Pork knuckle, Shank
膝から蹄の間の部位で、皮と骨、コラーゲン豊富な筋肉を含む。
最初は硬いが、煮込むとゼラチン質に。最後に釉を塗って焼くと皮がパリッとする。
豚の旨味と骨の香りが強く、コラーゲンでスープにコクが出る。
アイスバイン、タイ風カオカームー、醤油滷、フィリピン風クリスピーパタ、濃厚スープなどに。
下茹でしてアクを抜き、最後に高温で焼き色を付ける。
豚ホホ下肉 (Pork Jowl)
頭部・希少部位
脂たっぷり
熟成・加工
低温でじっくり煮る・焼く
炒め物
別名ガンチャーレ, Hog jowl, Guanciale
頬からあごにかけての部位で、脂が豊富で赤身の筋が入り薄い皮が付く。
脂がとろけるようで熟成向き。煮込むとほろりとしながらも程よい弾力を残す。
旨味が濃く脂の甘みが強い。グアンチャーレや燻製、煮込み料理の要。
グアンチャーレや南部風の燻製ベーコン、醤油煮、麺料理のトッピングに最適。
薄切りする前によく冷やし、脂に甘みがあるので弱火でじっくり脂を出す。
豚ホホ肉 (Pork Cheek Medallions)
頭部・希少部位
霜降り
低温でじっくり煮る・焼く
煮込み・スープ
別名ホホ肉, Pork face meat
頬にある丸い筋肉で、よく動くが細かなサシとコラーゲンが豊富。
ゆっくり煮込むとフォークでほぐれる柔らかさになり、ゼラチン質の舌触り。
豚の旨味が凝縮しほのかな甘み。赤ワイン煮や味噌煮、醤油煮込みにぴったり。
スペインのカリリャーダ、味噌煮込み、イタリア風煮込み、タコス・デ・カチェーテなどに。
余分な筋を取り除いてから焼き付け、2〜3時間煮込む。浮いた脂をすくってソースを艶やかに。
豚足 (Pork Trotter)
頭部・希少部位
脂たっぷり
低温でじっくり煮る・焼く
煮込み・スープ
熟成・加工
別名トンソク, Pig feet
皮・腱・小さな骨がある足先で、コラーゲンたっぷり。
長時間煮込むとゼリーのようにとろけ、皮はプルンとした食感。
味は穏やかだが口当たりは非常に濃厚。脂を足さなくてもスープにとろみが付く。
醤油煮込み、チョッパル、フォーのスープ、フィリピンのパクシウ、コラーゲン豊富な出汁などに。
縦割りにすると火が通りやすい。下茹でしてアクを抜いてから味付けする。