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同じ豚を台湾・日本・アメリカ・スペインの分け方で切り替え、部位の境目と呼び名の違いを見比べられます。
図は目安です。実際の切り方は店や地域で異なります。
豚肉の基本・1/4
豚肉は1頭まるごとではなく、切り分けて売られます。その1つ1つを「部位」と呼び、名前はたいてい肩・背中・腹・脚など、豚の体のどこにあったかを表します。
部位の違いはおもに2つ。その筋肉がよく動くか(よく動くほど歯ごたえがあり、筋が多い)と、脂が多いか(多いほどやわらかくジューシー)です。
だから部位で料理法が決まります。赤身でやわらかい部位はさっと焼く・炒める、筋の多い部位はじっくり煮込む、脂と赤身が重なる部位は焼く・煮込むのに向きます。
精肉店やレシピ、国ごとの表示では呼び方がよく違います。次から、豚の分け方、同じ肉の各地での呼び名、部位と食感の順に見ていきます。
| 部位・別名 | 部位・見分け方 | 食感・味 | 代表的な料理 | 買う前に |
|---|---|---|---|---|
肩ロース Pork Collar 別名コッパ, Coppa, Pork neck fillet | 肩甲骨の上から首にかけて続くロースの前側。断面は小さな筋肉がいくつも集まり、その間に網目状の白い脂が入る。 主な売られ方かたまり、厚切り(とんテキ用)、焼肉用、しゃぶしゃぶ用薄切り | サシが多い 脂が均一に入り、煮込んでも焼いてもパサつきにくい。旨みが濃く甘みがあり、肩の中で赤身と脂のバランスが最もよい。 | チャーシュー、とんテキ、生姜焼き、しゃぶしゃぶ 調理法・・・ | 台湾の「梅花肉」、スペインの aguja と同じ部位。アメリカの Boston butt は肩ロースに下側の肩肉を合わせた肩上部のかたまりで、レシピに Boston butt とあれば肩ロースが最も近い。 |
かた(肩甲骨まわり) Shoulder Blade Meat 別名肩肉, ウデ肉, Shoulder clod, Blade meat | 肩ロースの下、肩甲骨を包む赤身。筋肉の間を白い筋膜が仕切り、肩ロースより色が濃い。 主な売られ方ひき肉、角切り(煮込み用)、細切り | ほどよい 赤身でしまっており、きめはやや粗い。筋膜は長く煮ると気にならなくなる。豚肉の味が濃い。 | 角煮風の煮込み、カレー、餃子のあん、プルドポーク 調理法・・ | かたまりで表示されることは少なく、ひき肉や煮込み用として売られることが多い。アメリカでは Boston butt の下半分にあたる。 |
かた(前脚の付け根) Picnic Shoulder 別名ウデ, 前脚付け根, Pork arm roast, Picnic roast | 肩の下から前脚の上部まで。皮付きで売られることが多く、筋膜が多く筋肉の大きさもまちまち。 主な売られ方皮付きかたまり、ひき肉、細切り | ほどよい 肩甲骨まわりの肩肉より歯ごたえがある。皮の部分は長く煮るとやわらかくゼラチン質になる。 | 豚の煮込み、肉そぼろ、ひき肉のあん、プルドポーク 調理法・・ | 台湾の「前腿肉」はさらに下のすね肉や骨付きすねを含まない。アメリカでは picnic shoulder、スペインでは paleta と呼ぶ。 |
プレサ(イベリコ豚) Presa Ibérica 別名肩ロース芯, Presa | 肩の内側、ロースの前端上部にあるやや楕円形の厚い筋肉。色は濃い赤で、1頭から2つしか取れない。 主な売られ方かたまり、厚切りステーキ | サシが多い サシが非常に多く、やわらかくジューシー。味わいは一般的な豚肉より赤身肉に近い。 | 炭火焼き、鉄板焼き、厚切りステーキ 調理法・・ | presa、secreto、pluma はスペインでイベリコ豚に使われる分割名。一般的な豚ではこの部分は肩ロースに含めて売られることが多い。 |
セクレト(イベリコ豚) Secreto Ibérico 別名隠し肉, Secreto, Hidden cut | 背脂と肩・ロースの間にある扇形の薄い筋肉。脂の下に隠れていて、分割して初めて見える。 主な売られ方かたまり、焼肉用 | 脂が多い きめが粗くサシが非常に多い。強火で焼くと表面は香ばしく中はジューシーで、バターのような脂の香りがある。 | 焼肉、鉄板焼き、炭火焼き 調理法・ | スペイン語で「秘密」の意味で、脂の下に隠れていることに由来する。一般的な豚ではこの部分を単独で切り出すことは少ない。 |
ロース Pork Loin 別名豚ロース, Center-cut loin, Strip loin | 背骨の両側に沿って伸びる長い筋肉。断面は大きくきめの詰まった赤身で、上側に白い背脂が帯状につく。 主な売られ方かたまり、骨付きロース、トマホーク(長いあばら骨付き)、とんかつ用厚切り、生姜焼き・しゃぶしゃぶ用薄切り | 赤身 きめが細かく赤身中心で、火を入れすぎるとパサつきやすい。味はあっさりしていて、縁の脂に甘みがある。 | とんかつ、生姜焼き、ポークソテー、ローストポーク 調理法・・・ | 背骨の下にある細長いヒレとは別の部位。台湾ではこちらを「大里肌」、ヒレを「小里肌」と呼び分ける。骨付きロースやトマホークは、この部位をあばら骨付きで切ったもの。 |
ヒレ Pork Tenderloin 別名ヒレ肉, フィレ, Pork fillet | 背骨の下、腰の内側にある細長い円柱形の筋肉。銀白色の薄い筋膜に覆われ、サシはほとんどない。 主な売られ方1本売り | 赤身 豚で最もやわらかい部位。きめが細かく脂が少なく、味は淡白。 | ヒレカツ、ソテー、炒め物 調理法・・ | 1頭から2本しか取れず、1本も小さい。台湾では「小里肌」と呼び、ロース(大里肌)と混同されやすい。細長い棒状ならヒレ、脂の縁がある大きなかたまりならロース。 |
プルマ(イベリコ豚) Pluma Ibérica 別名羽根肉, Pluma | ロースの前端、肩寄りにある三角形の小さな筋肉で、羽根のような形をしている。 主な売られ方かたまり | サシが多い サシが多いのにロースのようなきめの細かさがあり、やわらかくジューシー。 | 炭火焼き、鉄板焼き、ソテー 調理法・ | presa、secreto と同じくスペインでイベリコ豚に使われる名前。一般的な豚ではロースに付いたまま売られることが多い。 |
背脂 Fatback 別名背油, Back fat | ロースの上を覆う厚い脂肪層。白く硬く、皮付きまたは皮なしで板状に取る。 主な売られ方板状、角切り | 脂が多い 硬めの脂で、溶かせばラードになる。角切りにしても形が残り、すぐには溶けない。 | ラードと油かす、ソーセージ、ラルド、ラーメンの背脂 調理法・ | 背脂はバラの脂より硬く、角切りにしてソーセージに入れても形を保ちやすい。腹腔の内側で腎臓を包む、よりやわらかく白い「腹脂(リーフラード)」とは別物。 |
バックリブ Baby Back Ribs 別名ロインリブ, Loin back ribs, Back ribs | ロースの下、背骨寄りの部分のあばら骨。骨は曲がっていて短く、上にロースの赤身が付く。 主な売られ方1枚(ラック)、カット | ほどよい スペアリブより肉は少ないが、赤身が多くきめが細かい。じっくり焼くと骨から肉が外れやすい。 | バーベキューリブ、酢豚風スペアリブ、オーブン焼き 調理法・・ | 同じあばら骨のうち、背中側がバックリブ、腹側がスペアリブ。バックリブは脂が少なく、スペアリブは肉も脂も多い。 |
バラ Pork Belly 別名豚バラ, 三枚肉, Side pork, Fresh belly | 腹部の骨を外した肉。断面は赤身と脂が層になって重なり、皮付きのことが多い。 主な売られ方皮付きかたまり、焼肉用、しゃぶしゃぶ用薄切り、ひき肉 | 脂が多い 脂が多く、長く煮ると脂身はとろりとし赤身もパサつかない。焼くと脂が溶け出して香りが強い。 | 角煮、豚の生姜焼き、豚しゃぶ、サムギョプサル 調理法・・・ | 台湾では皮・脂・赤身の三層が見えることから「三層肉」とも呼ぶ。スペインでは panceta、アメリカのベーコンの多くもこの部位から作られる。 |
スペアリブ Spareribs 別名骨付きバラ, Side ribs, Riblets | バラ肉の上、腹側のあばら骨と肉。骨はまっすぐで肉が多く、骨の間で短く切り分けることも多い。 主な売られ方1枚(ラック)、ぶつ切り | 脂が多い 骨の間に肉と脂が多く、煮込んだり蒸したりするとやわらかくなる。骨からだしが出てスープやソースに深みが出る。 | スペアリブのバーベキュー、酢豚、豆豉蒸し、スープ 調理法・・ | アメリカの「セントルイス・スタイル」はスペアリブを長方形に切りそろえたもので、切り落とした先端がなんこつ(パイカ)。台湾の「排骨」はこの骨付き肉のことも、ロースの骨なし厚切りのこともある。 |
なんこつ(パイカ) Rib Tips 別名パイカ, Pork cartilage, Soft bones | あばら骨の下端と胸骨がつながる部分で、肉の中に白い軟骨が入っている。 主な売られ方棒状、角切り | ほどよい 軟骨はコリコリしていて、長く煮込むとやわらかくゼラチン質になる。周りにバラの脂があり味が濃い。 | なんこつの煮込み、大根との煮物、スープ 調理法・ | スペアリブを長方形に切りそろえるときに切り落とされる部分。煮込み向き。 |
もも Pork Leg (Fresh Ham) 別名豚もも, うちもも, Fresh ham, Leg roast | 後ろ脚上部の大きな赤身で、うちもも・しんたまなど複数の筋肉からなり、サシはほとんどない。 主な売られ方かたまり、薄切り、細切り、カツ用、ひき肉 | 赤身 赤身できめがはっきりしている。薄く切ったりたたいたりするとやわらかく食べられる。味は淡白。 | ももカツ、青椒肉絲、ゆで豚、ハム 調理法・・ | 西洋のハムの多くはこの部位を塩漬けにして作る。外側のかたい部分は「そともも」として別に売られる。 |
そともも Outside Ham 別名そともも肉, Outer thigh | 後ろ脚の外側の筋肉で、歩くときに最もよく使う部分。色は濃いめ。 主な売られ方角切り、細切り | 赤身 赤身でしまっていて、きめが粗く、うちももよりかたい。豚肉の味が濃い。 | 煮込み、カレー、シチュー、繊維を断つように切った炒め物 調理法・・ | 日本では「そともも」として単独で売られるが、台湾やアメリカでは分けずにもも肉としてまとめて売ることが多い。 |
骨付きすね Pork Hock 別名アイスバイン用すね, Pork knuckle, Ham hock | 脚の下部、ひざから足首までの皮と骨付きの部分。皮が厚く筋が多い。 主な売られ方1本(骨付き)、ぶつ切り | ほどよい 皮と筋は長く煮るとやわらかくゼラチン質たっぷりになり、肉もパサつかない。 | アイスバイン、シュバイネハクセ、スープ 調理法・・ | 皮と骨付きのものが骨付きすね、同じ部分の皮と骨を外したものがすね肉で、足首から下が豚足。ドイツのシュバイネハクセも豚足ではなくこの部位。 |
すね肉 Pork Shank Meat 別名豚すね, Boneless shank, Shin meat | 脚の下部の皮と骨を外した筋肉。筋膜に包まれ中に腱が通り、断面に模様が見える。 主な売られ方かたまり | 赤身 生ではしまっていて、じっくり煮ると腱がぷるっとした食感になり、冷ますときれいに切れる。脂はごく少ない。 | 豚すねの煮込み、冷菜、スープ 調理法・ | 骨付きすねと同じ部分で、皮と骨を外して売られる。 |
豚トロ Pork Toro (Neck) 別名ネック, ピートロ, Pork neck, Jowl meat | ほほの下から首にかけての薄い筋肉で、細かい白いサシが密に入る。1頭から2枚しか取れない。 主な売られ方かたまり、焼肉用 | サシが多い コリっとしつつやわらかく、脂は熱ですぐに溶け、焼いても弾力が残る。 | 豚トロ焼き、焼肉、タイ風豚トロ焼き、炒め物 調理法・・ | 台湾の「松阪豬」と同じ部位で、名前は松阪牛になぞらえてサシを表したもので産地とは関係ない。イタリアのグアンチャーレやスペインの papada は、同じあたりのさらに脂の多いほほ下の部分。 |
カシラ(ほほ肉) Pork Cheek 別名ほほ肉, ツラミ, Pork face meat | 口の両側、ほほの内側にある丸い筋肉で、小さく身がしまっている。 主な売られ方かたまり、煮込み済みのスライス | ほどよい 弾力と歯ごたえがありゼラチン質を含み、長く煮ても形がくずれない。 | カシラの串焼き、煮込み、ほほ肉の赤ワイン煮 調理法・ | スペインの carrillera、台湾の「嘴邊肉」もおおむねこのあたりを指す。下にある脂の多いほほ下の部分(豚トロのあたり)とは別。 |
豚足 Pork Trotters 別名トンソク, Pig feet | 足首から下の部分。皮と腱、小さな骨が中心で、肉はごく少ない。 主な売られ方1本、半割り、ぶつ切り | ほどよい ほとんどが皮と筋で、長く煮るとやわらかく弾力が出て、煮汁はゼラチン質で濃くなる。 | 豚足の煮込み、沖縄風てびち、焼き豚足 調理法・ | 台湾で「豬腳」と言うと、上の骨付きすねまで含めて売ることがある。すね付きの部分は肉が多く、足首から下はほぼ皮と筋。 |
写真は Wikimedia Commons のもので、それぞれのライセンス(CC0、CC BY、CC BY-SA)に従って使用し、縮小のうえ WebP に変換しています。出典ページにその部位と書かれ、生の肉を写した写真だけを載せ、料理や値札、ブランドのパッケージしかない部位には載せていません。
この表は豚肉の部位を、位置と見分け方、主な売られ方、食感と味、脂の量、代表的な料理、買う前に紛らわしい点で比較し、4つの分割方式での名前も対照します。精肉用語の翻訳や部位選びに役立ちますが、地域ごとの分割図が完全に同じとは限りません。
検索は部位名、別名、各国での呼び名、主な売られ方、料理、食感、キーワードに一致します。カテゴリ、脂、方法のフィルターで、短時間調理、煮込み、ロースト、バーベキュー、炒め物、スープ、鍋、加工肉、皮をカリッと仕上げる用途を分けられます。
豚肉部位名、整形、脂の量、塩漬け、安全調理温度は国、供給元、食品安全機関で異なります。このページは語彙ガイドとして使い、提供、加工、製造では包装表示、公式安全温度、専門レシピを確認してください。
このテーマに関するよくある疑問と回答をまとめました。
肩・ネック、ロース・背骨まわり、バラ・サイドポーク、モモ・ハム用、頭部・希少部位に分けて掲載しています。部位分類で絞り込み、各行の切り出し位置、主な売られ方、食感、脂の量、代表的な料理、別名、買う前に紛らわしい点を比較できます。
バラは腹部の骨を外した肉で、断面は赤身と脂が層になり、皮付きのことが多い部位です。ロースは背骨の両側に沿って伸び、断面は大きくきめの詰まった赤身で、上側に背脂が帯状につきます。脂の量と調理法で絞り込み、それぞれの代表的な料理を比較できます。
バラを見てください。しゃぶしゃぶ用薄切りは主な売られ方のひとつで、代表的な料理にも豚しゃぶが挙がっています。肩ロースとロースにもしゃぶしゃぶ用があり、この順に脂が少なくなります。「調理法」で「しゃぶしゃぶ・鍋料理」を選ぶと一覧できます。
地域によって分割方法や売り場の表示が異なるため、同じ部位に複数の名前が使われます。各行には代表名と既知の別名があり、どちらでも検索できます。表示名だけで別の部位と決めず、切り出し位置も確認してください。
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